「東京五輪会場での酒類の販売や提供一転して見送る方向で調整」(2021年6月22日、NHK NEWS WEB)ということになって、まずはほっとしました。
有観客やパブリックビューも「人流の抑制」とはつじつまが合わないのですが、会場での「酒類の提供」なんてもう理解できないレベルの話に感じました。
オリンピックに対するモヤモヤというのは、「オリンピックそのものの是非」と「スポーツ大会を安全に開催する」ことがごちゃごちゃになって、「オリンピックもスポーツも嫌い」の声に押されてしまうのではないかというあたりでした。
昨年から国内大会さえも中止になりましたが、徐々に無観客での国内大会や国際大会が試行錯誤されてきました。
本当なら今年は世界水泳福岡大会の年で、絶対に観に行きたいと思っていました。何と言っても私が競泳に関心を持ちだしたのが、2001年の福岡大会のイアンソープ選手の泳ぎがきっかけでしたから。
2004年に初めて競泳会場で観戦してから、「状況が変化しても目の前のことに集中する」、それがこの十数年で競泳観戦から得たものです。
オリンピック代表になった選手の方々はもちろん、次の代表を目指している選手の皆さんも、見通しの立たない中でどうやって、競技のピークを合わせるのか。競泳なら百分の一秒を合わせることですからね。
競泳会場では、ここ数年で受動喫煙への対策も取られるようになりましたし、試合後のインタビューも、感動を引き出そうとするのではなく、選手の目標に沿った内容で安心して聞くことができるように変化してきた印象です。
そんな競泳会場の雰囲気を懐かしく思い出したのですが、そういえばお酒が好きでも、競泳会場の観客席で飲みたいと思ったことはなかったと、このニュースを聞きながら思いました。
いつも、家に帰るまでじんわりと感動しながら帰路についていました。
スポーツ観戦しながら、酒を飲み大声を上げるとか興奮するというのは私の好みではなくて、これは気持ちの問題ですけれど。
それにしてもこの一年半ほど、「飲食を伴う機会にマスクを外して会話するリスク」が言われてきて、それがこの感染症を制御するのに最も大事なことだったのですけれど。
そしてそれができれば、飲食店の経営ももう少し違う方法で守れたはずなのですけれど、なんだかシュールな世界だなあと思いました。
スポーツと運動もどんどんと変化していますが、世界的な感染症拡大という非常時に開催したことで、今後オリンピックの意義そのものが問われる大会になるのでしょうか。
「シュールな光景」まとめはこちら。