散歩をする 347 吉川の水田を潤す用水路から中川へ

5月初旬、爽やかな五月晴れの日に2年越しの計画の場所に向かいました。

武蔵野線から東部アーバンクラインに乗って車窓の散歩をしたのは2020年9月でした。

中川を越えると、一面稲穂が輝いている場所もあります。

本当は、吉川駅で下車して二郷半用水を少し歩く予定でしたが、外は38度だったので諦めました。

 

新型コロナの感染が始まった年の夏は緊急事態宣言が出されていて、少しずつ外出するようにはなったけれど、水田を眺めにいくことはあきらめた年でした。

それでも、誰かに禁止されることもなく徐々に散歩や遠出の旅行を続けたり泳ぎに行ったり日常生活を維持することができて、感染しないことだけでなく、長い人生の生活の質までも視野に入れた感染症対策に守られてきた2年間だったと思い返しています。

 

あの時の緊張感の中で見た、武蔵野線の車窓のずっと向こうまで水田が広がっている風景が美しく、用水路がくまなく張り巡らされているこの地域をいつか歩いてみたいと思っていました。

そして、自由にあちこちの水田を見に行けることがなんと幸せなことで、有難いことだったかと痛感したのでした。

 

 

*吉川駅から二郷半用水へ*

 

さわやかな気候でしたが急に28度になったので、歩き出すと汗が流れるようなお天気でした。

これから目指す場所は鉄道やバス路線とは無縁の場所なので、どこまで歩ききれるかちょっと不安になりました。

 

JR武蔵野線吉川駅の北口から右へ歩き始めると、じきに二郷半用水の水門のような施設があり、「木売堰」と表示がありました。

ここからまっすぐ北へと用水路があり、東側には水田地帯が広がっています。水田のある地域の方が少しだけ低いようにも見えました。田植えが始まっている田んぼもありました。

 

地図ではただただまっすぐな二郷半用水が描かれています。

実際には、轟々と水が流れる用水路の片側は木陰のある歩道が整備されていました。春には満開の桜が美しいそうです。

途中のパイプからいきなり水が勢いよく噴き出してきて、ちょっと飛び上がりました。

どうやら時々間欠的に、水が出てくるようです。

田んぼの一番活気のある時期ですね。

 

この先の広大な水田を潤すだけの水が過不足なく送られていく様子を見るだけでも、来た甲斐があります。

 

用水路沿いに300メートルほど歩いたところからは、もう一本川が並行して流れていました。排水路も兼ねているのでしょうか。

複雑な水の流れをどのように管理しているのでしょう。

 

 

 

*中川と元荒川の合流部を歩く*

 

二郷半用水沿いに1.5キロほど歩き平沼という場所で西へと曲がり、水路から離れて静かな住宅街を歩くと芳川神社がありました。

御由緒はわからなかったのですが、古峰神社、松尾神社、稲荷神社、芳川天満宮と水神社が祀られているようです。

 

すぐそばに元荒川と中川の合流部があり、平沼という地名からどんな水の歴史があるのだろうと思いながら歩いていると、「創業400年、うなぎ、なまず」という看板や古いお米屋さんがありました。川のそばには大きなお寺もありました。

延命寺

 この寺は、宝光山延命寺と称し、本尊は子安延命地蔵尊である、永仁三年(一二九五)に清仙が開基したと伝えられる古刹で、以前は古利根川三ヵ寺といわれていた。

なんとも落ち着いた街です。

 

中川にかかる吉川橋の途中で上流を見ると、左手から元荒川が合流しています。

中川のここから2.5キロほど上流では古利根川が合流していて、地図では複雑な水色の線が多数流れ込む場所です。何度眺めても、なかなかその川の関係を覚えらずにいました。

その場所が目の前にあります。

 

吉川橋を渡ってすぐに右手に曲がり、今度は元荒川にかかる橋を渡りました。

中川との合流部がすぐそばで、草が青々とした土手が美しい風景でした。

 

 

元荒川を渡った場所は中島という場所で、その真ん中を通る県道102号線に沿って道なりに歩きました。

新方川(にいかたがわ)にはさまれた地域で、水田地帯かと思ったらほとんどが畑でした。

途中「想定浸水深」の表示があり、「2.2m 赤いテープの高さ(利根川) 1.1m青いテープの高さ(元荒川)」「この場所は利根川・元荒川が氾濫すると上記の深さで浸水するおそれがあります」と書かれていました。

鬼怒川と小貝川が近づいた場所の表示のようですね。

ところで利根川はもっと離れた場所なので、地元では「古利根川」を「利根川」と呼んでいるのでしょうか。

 

 

静かな住宅地を歩き、本当はその先で新方川を渡って古利根川沿いに歩き、古利根川と新方川の間にある大吉調整池まで歩く計画でしたが無謀でした。

 

300メートルほど先にコミュニティバスの停留所があり、次のバスに間に合いそうです。

元気を出して歩くと、国道4号線との交差点に来ました。

「歩行者は青信号2回で渡ってください 国土交通省」という表示があります。

最初意味がわからなかったのですが、その幅の広さを見て、一度では渡りきれないことが理解できました。

 

その名も新田バス停のとおり、目の前には水田がありトラクターで作業されていました。蛙の声が聞こえ、バスを待つ間ずっと水田を眺めていました。

レイクタウン越谷駅行きのバスに乗って先ほどの国道4号線を走りましたが、上下線の間に湿地のような場所がありました。

幹線水路の上に国道ができたような場所で、だから信号待ちを2回ほど必要とする道幅だったのかと想像しましたが、事実はどうなのでしょう。

 

レイクタウン周辺は、週末ということもあって車が大渋滞でした。

 

 

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