一度立ち止まったほうが良さそうなので、マイナンバーカードについての議論が活発になっているのはよいと思うのですが、なんだか出てくる策が肝心なところを外されているような気もしなくないですね。
私はただ存在を証明することとその証明書のリスクを分散できることを求めているのですが、なぜ突然任意から保険証を一本化して義務化しようとしているのか、なぜ国と私との関係に民間のポイント会社が関わってくるのかとか、そのあたりの答えが見えないのはなぜだろうと思いながらニュースを追っています。
*「キャッシュレス」へ*
7月3日のニュースに、これを私が見落としていたのかもしれないということが書かれていました。
6月25日時点で国民のカード申請率は77.7%に達している。総務省の担当者はマイナポイントについて「カードの普及だけでなく、キャッシュレス決済の利用拡大も目的にしており、返納してもポイントの変更は求めない」としている。「マイナーカード」という名前を普及させるためのマイナポイントは、名称変更すれば、ただポイントをばらまいただけの無駄な事業になりかねない。
(「河野太郎デジタル相が"自爆" マイナカードめぐるトラブル相次ぎ自主返納急増…名称変更する「小手先対応」で炎上さらに拡大も」夕刊フジ、2023年7月3日)(強調は引用者による)
行政業務の効率化のためだったはずが、なんだかなんでも1枚のカードにぶち込んだために首が回らなくなっていくのかもしれませんね。
*キャッシュレス決済推進とは*
私自身はクレジットカードが登場した1980年代から利用し始めたものの今は通販の決済のみで、ふだんはPASMOか現金での支払いを使い分けています。
大きなローン(借金と利息)を抱えない、その場でお金を支払いを終えたいという信念です。
キャッシュレス決済の便利さがあっても良いし、それを選択できる社会も良いと思いますが、政府がそれを進めているということは何を意味しているのか、その辺りをあまり考えずにきてしまいました。
国民生活センターの「キャッシュレス決済の基礎知識」に政府の方向性が書かれていました。
日本がキャッシュレス決済を推進する理由
キャッシュレス決済推進の理由はいくつかあります。主な理由は、他の主要国に比べ日本のキャッシュレス決済の普及が遅れていること、金融機関や流通業などさまざまな業界で合理化が求められ、キャッシュレス決済がその一助となること、キャッシュレス決済が消費対策として有望であること、などが考えられます。政府は国内でのキャッシュレス決済のさらなる普及を目指す考えで、2015年に18.2%だったキャッシュレス決済比率を2025年までに40%までに増やすという目標を掲げています。
(強調は引用者による)
「キャッシュレス決済比率」というのは「個人最終消費支出に占めるキャッシュレス決済の割合」と説明されているのですが、「国内キャッシュレス決済の動向」という図の中では「金額ではなく利用回数でみると」とも書かれていてよくわかりません。
「他の主要国に比べ日本は遅れている」という言葉に弱い社会ですが、でもキャッシュレスが進むと日本政府が発行している現金は減っていくということでしょうか?
キャッシュレスというのは、政府や日本銀行が発行する紙幣や通貨ではない「別の何か」を民間の会社が扱うということでしょうか?
ポイントの付与や民間の会社によるキャッシュレスもそもそも消費者の囲い込みと言えるのではないかと思いますが、それが社会に与える影響はどうでしょうか?
日本円の信用はどうなっていくのでしょうか?
お金について知らないことだらけだったと、ちょっと冷や汗をかいています。
「小金がまわる」まとめはこちら。
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