王寺で大和川と生駒山系、葛城山系の位置を確認し、次に隣の法隆寺駅で下車しました。
法隆寺は中学校の修学旅行以来です。白っぽい砂と広い広い敷地を歩いたことがぼんやりと記憶に残っています。
今回はその法隆寺とは反対側、駅の南側が目的地です。
奈良県の地図を何度も拡大して見ているうちに、だいたいの川の流れがつかめました。
まるで熊手のような形で、小さな川が合流して大和川になっています。
その合流している場所が、「川合」(北葛城郡河合町川合、きたくずしろぐんかわいちょうかわい)です。この名前と水色が合流している地図に惹きつけられました。
法隆寺駅を降りて川を目指して歩くと、そこは、黒い壁と黒い木の格子戸の家が並んでいました。家の前には小さな水路があります。
観光客が訪れるわけでもなさそうなのに、なんと手入れが行き届いた街並みでしょうか。まるで映画のセットの中を歩いているようでした。
大和川の支流のひとつ富雄川に沿って歩くと、十数分ぐらいで大和川の合流部に着きました。対岸が川合で、ここから300mほど上流でいくつも川が合わさっています。
橋の上に立ってその上流と下流を眺めたあと、川合の街を歩いてみました。
住宅街にも小さな水路があり、ここもまた古い家がたくさん残っていて、半世紀とか一世紀の時間がふとわからなくなりそうな場所でした。
私が中学生の頃に法隆寺を訪ねた時、いえそれ以前のずっと昔から同じ風景が続いているのかもしれませんね。
住宅のある場所から緩やかに川の近くへ下ると、水田が広がっています。稲の香りに、一瞬、祖父の水田にいるような錯覚に陥りました。
あちこちから川や水路の水音が聞こえて来ました。
平城京の時代から変わらず水が流れていたのかと思うと、ちょっと気が遠くなったのでした。
*川合と落合*
妙正寺川と神田川、落合川と黒目川あるいは陸前落合駅や備後落合駅のように「落合」は、実際に歩いてみて川と川が合流する場所だと理解できました。
川合と落合、どう違うのか気になりました。
コトバンクの「精選版日本国語大辞典」によると、「落合」は「二つの川の流れが一つに出あうところ」に対して、「川合」は「川と川が合流する点」とあります。
「川合」はいくつもの川が合流する意味があるのでしょうか。
「川合」で検索すると、Wikipediaでは国内に13ヶ所あるようで、そのうち3つが奈良県でした。
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