事実とは何か 120 できすぎた合意のタイミング、それが「新しい資本主義党」

「日米関税交渉で合意、相互関税15% トランプ氏「車・コメ解放」」(ロイター、2025年7月23日8:23)のニュースに気づいたのが、9時18分ごろ。

今までだったら読み飛ばしていましたが、このタイミングが自民党(新しい資本主義党)なのだと見逃さなくなったのも、あの日から考え続けた積み重ねとも言えそうです。

 

【ワシントン 22日 ロイター】トランプ大統領は22日、日本との貿易交渉で大規模な合意を締結したと明らかにした。交流サイト「トゥールス・ソーシャル」への投稿で、日本に対する相互関税は15%になると表明した。

「おそらく史上最大の取引だ」とした上で、日本が米国に5500億ドルを投資すると表明。利益の90%を米国が受け取るとし、取引によって数十万人の雇用が創出されると主張した。

さらに、日本が自動車やトラック、コメ、一部の農産物を含む市場アクセスを解放すると述べた。

トランプ氏の投稿には、日本への自動車関税の緩和については触れられていない。日本の対米輸出のうち自動車が占める割合は25%を超え、米国は25%の自動車関税を課している。

トランプ氏は合意について「米国にとって、そして特に日本という国と素晴らしい関係を常に維持し続けるという事実にとって、非常にエキサイティングな時だ」と評価した。

関係者によると、トランプ氏は22日、日本側の関税交渉担当である赤沢亮正経済再生相とホワイトハウスで会談した。

 

「日本という素晴らしい関係を常に維持し続けるという事実」が「コメの市場アクセスの開放」とは。

「事実」はアメリカ大統領の気分でしかなくなったほど、「政治」や「経済」の指す言葉の意味が軽く感じられるこの頃

 

どちらの国も、経済力を持った人が勝手に政策を決めて国民が築いてきた社会を壊していく。そんな時代ですね。

「あなたは何の権利があってそういうことをするのか」

新約聖書の中のイエスが神殿から商人を追い出す話は、もうしかしてこういう時代の雰囲気だったのかもしれませんね。

失敗から学ばない限り時代は繰り返すのでしょう。

 

 

*できすぎた合意のタイミング*

 

「なんでこのタイミングに」と感じた理由が、コメント欄に言葉で表現されていました。

 

日米関税交渉が決着すれば、石破首相が首相でい続ける理由は失われた。首相を辞任しても良い条件が整ったといえる。

しかし、参院選が終わって、突然の合意となったということは、日本側は大幅に譲歩したということを予想させる発表である。おそらくは、選挙期間中に発表しては、選挙結果にさらに影響しそうな日本側にとってはマイナスな合意が行われた可能性が高く、単なる数字だけではないところがある

コメの解放という、これまで日本でずっと国策として行ってきた食料安全保障が、トランプ関税の交渉の中で崩されていったということだ。そうなると、JAの自民党離れはさらに進み、今後の党勢回復は望めないということになる

石橋は自民党を壊してしまったといえる。

(白鳥浩氏)

 

コメのさらなる市場開放はありえない。参院選後のこのタイミングでの発表は、選挙での農村票への影響を回避したと勘ぐられても仕方がないものだ。日本は農産物貿易においては大幅に輸入超過の状況であり、解放する理由はなかった。国内のコメや生産基盤への影響が予想され、その影響は将来的に食卓にも及ぶだろう。

(松平尚也氏)

 

勉強になります。

自民党は壊れて当然。まずは名前を変えてほしいものです。

「新しい資本主義党」なら、今までも投票はしなかったのに

裏で何かがうごめいているのに「自由」とか「民主」という党名で国民を欺いてきたことで信頼を失ったのだと思ってます。

 

 

そして何より国会で政策を決めるのではなく、経済財政諮問会議とか「政策提言集団」とか選挙で選ばれたわけでもない人が勝手に政策を決めて、財務省が具体策を決定するという国会議員の仕事を放棄した状況がおかしいしですよね。

 

そうそう、「これ以上米を輸入させないために備蓄米を放出」といった農林水産大臣の責任もこれから忘れずに考え続ける必要がありそうです。

原因をうやむやにして、社会に与えている影響は大きすぎますからね。

 

 

*おまけ*

 

それにしても「80兆円の投資」が相手の言い値でポンと決まってしまうとか、その「契約書」(合意文書)もないなんて。

近代の民主主義国家とか「先進国」といっても、各国それぞれの「成金という裸の王様に服を着せること」に難渋しているが政治・経済の世界ですね。

あ〜あ、なんだろう、この気恥ずかしさは。

 

 

 

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