最近、小田急線を使うことが多いのですが、多摩川を超えて神奈川県に入ると皇帝ダリアがあちこちで咲いている風景に出会います。
数年前に初めてこの花を知った頃に「寒さに弱い」と聞いていたことと、ダリアという名前から、なんとなく夏から秋ぐらいに咲いていたような記憶がありました。
「だんだんと日本の気候に適応して、晩秋の花になったのかな」と思っていましたが、皇帝ダリアで検索すると、どのサイトも11月から12月初めぐらいの開花期になっています。
やっぱり人の記憶というのはあてにならないですね。そして記憶も知識もあいまいな時に、思い込みが強くなって「絶対にこうだった」と言い張りたくなるので要注意ですね。
皇帝ダリアが日本に入ったのがいつ頃なのか正確なことはわからないのですが、ここ10年ほどではないかと思います。
決して開花時期が遅くなったわけでもなく、この時期の花のようです。
<「霜にあたると即死」>
検索していたら、園芸サイトには似つかわしくない表現があって笑ってしまいました。
「ガーデニング花図鑑」の説明です。
「霜で即死」
(中略)
皇帝ダリアは寒さに弱く、霜に当たると一発で枯れます。非常に大きくなる皇帝ダリアが霜に当たってかれる様子はあまり気分のいいものではありません。
きっと、大事に大事に育てて晩秋に咲くのを楽しみにしていたのに、霜が早くおりてダメになってしまったのを筆者が目の当たりにされたのでしょうか。
何mにも育ったものがぺしゃんとつぶれてしまったのが、「即死」と目に映った。
その時の落胆が伝わるような文章でした。
ええ、笑っては失礼なのですけれど。
この「まとめ」もなかなかこの方の雰囲気が出ていました。
・放置していると数メートルになる。
・短日植物で花芽ができるのは9月以降。
・庭植えすると放置で生育する。
・霜で枯れるが、根まで死んでなければ来年も咲く。
手をかけつつ、離れて見守って・・・という感じでしょうか。
そして霜で一見ダメになったように見えた皇帝ダリアを、「見るのは気分がよくない」といいつつ庭にそのままにして次の年まで見守ったのでしょうか。
祈りつつ待った1年間は長かったことでしょうね。
<皇帝ダリアは草か木か>
皇帝ダリアに気づいた数年前は、その高さと花のダイナミックさに気を取られていて全体がどうなっているのかまでは観察していませんでした。
今年になって、皇帝ダリアの茎がまるで木のように太くがっしりとしていることに初めて気づきました。
こちらのサイトでは「別名:木立ダリア」として、次のような説明があります。
成長すると3〜4mにもなる事から皇帝ダリアと名付けられました。
丈が3〜4mにもなります。花はピンク色で直径約20センチメートルの大輪の花が茎の頂上につきます。晩秋の頃、空にそびえ立つ姿は圧巻です。
「みんなの趣味の園芸」では、その大きさをこんな風に表現していました。
よく成長すると5〜6mにも達し、2階の窓から花を楽しめるようになりますが、背丈を高くしたくない場合、何回か切り戻して高さを調節します。
小田急線の車窓からは2階に達しそうなものが、けっこうありました。
草なのか木なのか気になっていましたが、上記のサイトには「球根、多年草」と書かれています。
「バナナは木ではなく草」と同じということなのでしょうか。
いずれにしても花の少なくなるこの時期に、日本の風景を少し変えた皇帝ダリアですね。
そしてこれから何十年という間に、霜にあたっても大丈夫なくらい適応していくのかもしれません。