水のあれこれ 405 酒匂堰と酒匂川

酒匂堰湛水防除事業の石碑のあたりから、酒匂堰の雰囲気が一変しました。

蛇行する流れが増え、幅も狭くなり、一見ふつうの川のように見えます。

両側の道も砂利道が増えてきました。勾配もキツくなり上り坂が続きますし、晩秋とはいえ遮るものがない陽射しは暑く、でも突風が吹くので日傘もさせずにトボトボと歩きました。

 

右手は一段低い場所に水田地帯が段々になって続いているので、やはり「川」というよりは農地よりも高いところを通る用水路のようだと思いながら歩いていると「捨てるな!ここは農業用水路です ゴミを捨てると法律により処罰されます」と注意書きがありました。

ほんと、「水辺はゴミや生活排水を処理する施設に近い感覚」を変えるのはなかなか手強いですね。

 

左手は住宅地が細長く続いたかと思うと田んぼになったり、竹藪になったりするうちに、山側からの小さな川が合流する場所がありました。

周囲に住宅地が増えたことと、急流の趣になり、酒匂堰の両側の歩道がなくなりました。

田んぼは畑地になり、背の高い皇帝ダリアが見事に咲いています。一時期けっこう見かけたのに、育てるのが大変なのかそれとも流行が終わったのか、最近は少なくなった印象です。

真っ青な秋空に映える薄紫色の花をしばし見上げました。

 

酒匂川の河口に近いところから大井町のビルまで見えるくらい高低差が少ないように見えたのですが、けっこう勾配が感じられるようになりました。

酒匂堰が大きく西へと曲がったところにある中学校に「海抜33m」とありました。歩き始めたところからの高低差はわずか20数メートルなのに、足がだいぶ疲れてきました。

田んぼも少なくなってきたのでこのままJR御殿場線上大井駅から帰ろうかと思い始めたら、また水田地帯が広がっているのが見えてきたので、計画通りに酒匂川まで歩くことにしました。

 

県道711号線の先に足柄紫水大橋が見えてきました。地図に載っていたひょうたん池も見えて、さらに酒匂堰は上流へと続いているのですが、この辺りでかなり風が強くなり疲労感と橋を渡る恐怖感が出てきます。

今回はここまでにしてさっさと橋を渡って小田急開成駅から帰ろう。

酒匂川にかかる橋はそれほど高い場所ではないのですが、川面に近いとそれはそれで恐怖心が出ます。風がなかったら、しばらく橋の上から眺めてみたいと思う美しい川です。

 

強風の中、橋を無事に渡った安堵感に、また美しく背の高い皇帝ダリアが目を楽しませてくれました。

ここまでちょうど20000歩、12~13kmくらいでしょうか。

 

 

*酒匂堰の歴史*

 

頼みの綱のWikipediaには説明がなく、コトバンクにありました。

酒匂堰

足柄平野東部を開発し、足柄上郡上大井(現大井町)・上曽我(現小田原市)、足柄下郡前川(まえがわ)・国府津(こうず)・小八幡(こやわた)・酒匂・矢作・中里・下堀・高田・別堀・千代・永塚・東大友(おおども)・西大友・下大井・曽我岸・曽我谷津・曽我原・曽我別所・田島(現小田原市)の二一ヶ村の用水を確保するための用水路であり、別名を二万石用水ともいい、酒匂川水系最大の農業用水路。現在は南足柄市斑目で文命用水を取水し、幹線水路約一〇キロを経て小田原市国府津で森戸川に合流する。開削は「風土記稿」は慶長八年(一六〇三)とするが、享保一〇年(一七二五)の伊藤殿への書上(蓮華寺文書)では他慶長十四年と伝える。

 

いずれにしても数百年前に開削されたようです。

 

そういえば酒匂川の水源はどこだろうとWikipediaの「特徴」を読みました。

富士山の東麓と丹沢山地の西南部を主な源流とし、JR東海御殿場線東名高速道路と並走するように流れ、丹沢山地箱根山の間を抜け足柄平野(酒匂川低地)を並走するように流れ、小田原市相模湾へと注ぐ。

なんと、御殿場に水源があるのですから、あのなだらかな富士山の裾野のどこかに黄瀬川との分水嶺があるようです。

 

 

*なぜ「堰」なのだろう*

 

地図で酒匂堰を見つけたときに、水色の線をたどるとどこまでも「酒匂堰」と表示されていたことが不思議でした。

「漢字/漢和/語源辞典」で確認しても、やはり「堰き止める」という意味しか書かれていませんが、昨年9月下旬に訪ねた蓮(はちす)堰で、用水路も含めて「堰」と呼ぶ場合があることを知りました。

 

 

酒匂堰の取水口はどこなのか地図ではよくわからなかったのですが、酒匂川の説明にありました。

山間部から平野部に入るときに平野の中央を流れ、耕地を潤すように文命堤(岩流瀬堤、大口堤)が建設された。岩流瀬堤(がらせつつみ)は流れをいったん断崖に導き、大口堤は断崖からの流れを平野中央に導いている。

Wikipedia「酒匂川」)

JR御殿場線山北駅の西側でぐいっと流れを変える場所があるのですが、どうやらそのあたりのようです。

 

そして酒匂川右岸を眺めると、これまた息を飲むような水路網です。

いくつか計画ができました。

 

 

 

「水のあれこれ」まとめはこちら