滋賀県の県庁所在地は大津だと子どもの頃から記憶しているのですが、いつも新幹線で素通りしていた場所です。
今回の散歩で初めてその地に降り立つ、というのは大げさですが、ちょっとそんな気分になりました。
一泊するのは大津に決めて、大津駅周辺の地図を眺めていました。駅から歩いて10数分ぐらいで琵琶湖に行けますし、県庁から裁判所まである場所なのにこじんまりとした街という印象でした。
小一時間もあれば、「市内を見て回れる」と思いました。
ところが、2日目はどこを回るか探していると、あっちもこっちも「大津市」という住所です。
瀬田川に沿って京都府宇治市との県境まで大津市ですし、琵琶湖湖畔も近江高津の手前まで大津市でした。
地図では市町村の境界線が確認できなかったのですが、もしかしたら滋賀県の総面積の三分の一から四分の一ぐらいが大津市ではないかと思える広さです。
また、Wikipediaの大津市を読むと、福岡県と佐賀県、そしてあの仙山線が結ぶ仙台と山形のように「県庁所在地同士が隣接している」という点も特徴のようです。
隣接というよりは、山を越えてあの山科市内の真ん中に府県境があるのですから、その歴史はどんなものだったのでしょうか。
*なんという段丘なのだろう*
地図を見ると、大津駅から北側の琵琶湖まで平地が続いていて、目の前に水面が広がっているイメージです。
大津駅に降りると、確かに少し離れたところにある琵琶湖まで見えました。
ところが駅前の交番のあたりから坂道になって、琵琶湖へと下り坂になっていました。
琵琶湖のそばには京阪電鉄が通っていますが、そこは湖面と同じぐらいの場所で、JR大津駅はそれよりも一段高い場所にありました。
日没までまだ時間があったので、琵琶湖のそばを歩いてみました。
古いお寺や街並みがそこかしこに残っていて、ふらりと歩くだけで落ち着いた気持ちになる街です。
Wikipediaの「大津市」の概要が、「天智天皇が近江大津宮に遷都して以来、1350年以上の歴史を有する古都である」という文章から始まることに圧倒されたのですが、その意味がわかるような街でした。
琵琶湖湖畔から駅へ戻るには、あの段丘のような場所へと上り坂になります。
上った先に、さらに複雑な段差がありました。
県庁とJRの線路の間に梅林という地区があり、そこに線路に並行して水路が描かれています。
おそらく南側の山からの湧き水を集めていると思われる水の流れですが、水路と歩道が道路よりも一段、高いところにありました。
道路の方が1mぐらいでしょうか、低いところにあります。
この辺りまで、瀬田川の河岸段丘なのでしょうか。それとも、何度も何度も琵琶湖の水害で浸水したために削られたのでしょうか。
大津市南部を流れる小さな8つの川の水を集めて地下トンネルで瀬田川へ流す大津分水路が2005年(平成17)にできたようですが、「1350年以上の歴史」は水との闘いとの歴史とも言えるのかもしれません。もっと、大津について知りたくなりました。
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