2004年ごろまでテレビのない生活だったのは、高校生ごろから活字中毒で本などを読む時間が多かったからですが、細かい字を見るのがだんだん辛くなってきた時期に競泳観戦にはまり始めてとうとうテレビを購入しました。
あんがい、静かでいい番組もあるのだと散歩の番組などを見るようになりました。
思い返すと、子どもの頃からうるさい環境が苦手だったので、テレビの中の音や色彩や人の声がこれでもかと迫ってくる感じは好きではなかったのだと思います。
さらに年々、大勢の人が大きな口をあけて、ワイワイと喋ってにぎやかな番組も増えたことも理由かもしれません。
良いか悪いかではなく、これは好きか嫌いかの問題ですね。
録画できるようになってからは、自分の好みで取捨選択して観ることができるので助かります。
また私自身はBS/CSには加入していないのですが、チャンネルが増えて選択が増えたこともすごい変化ですね。
*東京という地域を別の方向からみる機会*
遠出をするとその地域の番組やニュースを観るのが楽しみになりました。
ふだんは都道府県単位でしか知ることができない天気予報もこういう分け方があるのかと知ったり、寒冷地仕様のエアコンのCMとか、生活に密着した情報を知ることができておもしろいですね。
印象としては、スタジオのデザインも落ち着いた色彩でアナウンサーや出演者も静かに話していますし、うわあと叫びたくなるようなCMはほとんどありません。
自宅ではBS放送を観ることができないので、旅先のホテルではここぞとばかりBS番組を観ています。
早朝に放送していたNHKの「日本縦断こころ旅」を、2019年ごろに初めて旅先で観ました。
生活の場を散歩しているような、落ち着いた番組ですね。
BSに加入しようかと気持ちが揺らぎましたが、これ以上の通信費は生活を圧迫するので、遠出をした時の楽しみにとっています。ただ最近は放送時間が少し遅くなり、出発しなければいけない時間と重なって涙をのんでいます。
もう一つはワールドニュースです。
6月下旬に観たニュースでは、とある国のワクチン接種会場で、医療スタッフが高齢の方を鼻であしらうように対応している映像が映りました。
ニュースとしては「ワクチン接種が進み始めた」という内容だったと思うのですが、その向こうにある社会の変化のゆっくりさに、立ち止まってしまう感覚でした。
というのも、1980年代に東南アジアで働いていた時の風景と同じだったからです。
日本でもまだ接遇という言葉も考え方もない時代でしたが、ここまで患者さんへの対応は怖くはなかったので、あの頃は世界の社会階層のある社会に驚いたのでした。
ワールドニュースの映像を時々見ることで、40年ほどの時間を考え直すきっかけにもなります。
そして「キー局」からの放送に変えてみると、一瞬、別世界に見えるような感覚に陥ります。
特に政治の話題になると、国政の話ですら「東京の地方の話題」に感じてしまう、なんだか現実味のない世界を見ているようになっていく、そんな感じです。
なぜそういう感覚になるのか、まだよくわからないのですが。
これも「Think glovally act locally」の葛藤のひとつかもしれませんね。
「シュールな光景」まとめはこちら。