遠出に出かける前はぜひ食べてみようと楽しみにしているものもあるのですが、疲れすぎて豪華な食事はいらなくなり、結局おにぎりで終わってしまうことがほとんどです。
幻の味がどんどんと増えています。
新潟市に一泊するにあたって何を食べようかと楽しみにしていましたが、まず思い浮かぶのは日本酒ですね。
ところが季節は夏ですから、信濃川を眺めながらの生ビールになりました。
流作場三社神社を訪ねたあと駅方面へ歩いていると、水田の跡と思われる場所もありました。列車から見えるこの駅の北側はビルの立ち並ぶ新しい街と思っていましたが、イメージとは異なりました。
ところどころに食堂はあるのですが、残念ながら開店時間前です。
ああ、今回もまた新潟の美味しいものは幻になるのかとぼーっと歩いていたところ、カウンターがすぐ通りに面している飲み屋さんが目に入りました。
「今日の焼き魚」というメニューにつられて、ふらりと椅子に座りました。
一人で静かに飲んでいる人がぼちぼちいるだけだったことも、安心です。
30代ぐらいのスタッフがテキパキと働いていました。
お通しのあら煮も美味しくてこれは焼き魚も楽しみと待っていたら、イワシが出てきました。
熱々の身を、少しも残すまいといただきました。
魚を扱いなれたお店の料理は本当に美味しいですね。
小学生だった頃、庭で七輪で焼いたイワシを思い出しました。
1960年代に一時期住んだ山間部には魚屋さんがなかったので、日本の近海でとれた魚でさえ食べる機会が少なく、たまに生のイワシやアジが手に入るとご馳走でした。
半世紀後にはまた違った意味で、こうした身近だった魚を食べることも贅沢なご馳走になってしまったようです。
今も当時と変わらず、私自身は魚を食べる頻度はそれほど増えていないのですが、魚はどこへ行ってしまったのでしょう。
新潟から戻ってからスイッチが入ったように焼き魚を食べたくなっているのですが、こうした塩だけで焼いた魚というのはなかなか見つかりませんね。
住環境や生活習慣が変わったので、焼き魚が幻の料理になりました。
また新潟を訪ねたら、「今日の焼き魚」を食べに行こう。
今回はかぼすのサワーでしたが、次は日本酒を飲もうと地酒名を記録してあります。
「食べるということ」まとめはこちら。