食べるということ 84 素麺発祥の地で食べる

古墳と周濠をたどって歩くと、集落の家の少し広い庭に作業所のようにそうめん工場がぽつんぽつんとありました。三輪そうめんはこういうところで作られるのですね。

 

お腹が空いてきました。今回の散歩では、三輪そうめん柿の葉寿司を絶対に食べるという固い決意で出かけました。

いつも時間がなくてその地域のご飯を食べそびれてしまう散歩です。

そして今年の春、揖保乃糸を食べれなかった無念さを奈良で挽回です。

 

大神神社を訪ねたあと近くのお店に立ち寄りましたが、満席です。だいぶ待つかもしれないので一度はあきらめて通り過ぎたのですが、「いやいや三輪そうめんまで『幻』にするのはあまりにも無念すぎる」と引き返したところちょうど席があいて入れました。

念願のそうめんとがつんと親子丼を頼みました。まだまだこれから歩きますからね。

 

先ほどのそうめん工場のある集落の風景を思い出しながら食べる味はまた、格別でした。

 

 

*素麺発祥の地*

 

近くに座っていた人が、「三大そうめんって、三輪そうめんと瀬戸内海とあとどこだっけ?」と話しているのが聞こえました。

それは「(小豆島と揖保川揖保乃糸)」とちょっと得意になって心の中で答えたのですがWikipediaの「素麺」を読むと全国にさまざまな「おらが街の素麺」がありますね。

 

その中でも最も歴史が古いのが三輪素麺のようです。

その「歴史」の中の伝説の記述に、「その十五世の孫である従五位上大神主大神朝臣狭井久佐(大神朝臣三枝)の次男穀主が飢饉と疫病に苦しむ民の救済を祈願したところ、神の啓示を賜り三輪地で小麦をつくり、素麺を初めて作ったという」とあり、国造りと重なりました。

 

晩秋の三輪のあたりは稲刈りが終わった後の茶色い水田の風景でしたが、あのあと麦が植えられるのでしょうか。

麦秋を迎える頃、そうめん工場のあたりはどんな活気になるのでしょう。

また異なる季節に訪ねてみたいものです。

 

 

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