水のあれこれ 339 牟呂用水の始まりを見に行く

早朝からの多米町の散歩はすでに9000歩に達しましたから、2日目の計画もまた相当無謀のようで途中で削ることになりそうです。

バスで9時49分に豊橋駅に戻り、JR飯田線新城駅へ向かうのに入場したところで気づきました。途中でICカードが使えなくなるようで、切符を購入しなければならないようです。

ICカードができてかれこれ四半世紀、その便利さに重宝しているのですが時々トラップがありますね。

 

ホームも飯田線の1番乗り場だと思ったら岡谷行きは2番ホームで、しかも名鉄線と同じホームでちょっと混乱しました。馴染みのない駅での乗り降りはやはり時間にゆとりが必要ですね。

ふと振り返ったら東海道新幹線が通過して行き、また元気が出ました。

 

10時42分の飯田線に乗りました。豊川(とよがわ)と豊川放水路を渡ると一段と低い水田地帯の少し上を走るので、豊川の河岸段丘の上であることがよくわかります。その地域が6月の大雨で浸水したのですが、稲刈りのあとが見えました。収穫は奇跡ですね。

 

豊川(とよかわ)駅を過ぎると、豊川(とよがわ)右岸に沿って高台の田畑の車窓の風景になりました。

高台は黒っぽい土で、渥美半島の土とは違いました。

 

江島駅のあたりで、豊川の対岸に竹藪が見えました。あのあたりが金沢町の「霞堤」のようです。

計画ではこの蛇行した箇所を右岸から江島駅に向かって歩く予定でしたが、早々に距離感が間違っていたことがわかりました。

 

 

新城駅から牟呂用水の頭首工へ*

 

11時18分に新城(しんしろ)駅に着き、11時55分のバスに乗って土合(どあい)バス停に向かいます。

「Sバス中宇利線」というコミュニティバスですが、到着したのは大きな普通のバスでした。乗客は私を入れて二人、段丘の下側に街並みと水田が見ながら豊川左岸を上っていきます。

美しい豊川の流れ、美しい瓦屋根に稲穂の残る田んぼと水田。美しい景色です。

12分ほどで土合バス停に到着する直前に、民家の間に頭首工と青々と輝く豊川の水面が見えました。

 

豊川用水総合事業所新城支部の建物の横を入ると、牟呂松原頭首工がすぐそばに見えてきました。

渡ることも可能でしたが、川風が強いのであきらめました。この川風の中で利水施設を守る仕事に頭が下がりますね。

 

堰から取水された牟呂用水の水路の向こうに、石碑が並ぶ小さな公園が見えました。

2列の滔々と流れる牟呂用水の上を渡って、豊川河畔の石碑のそばに行ってみることにしました。「牟呂用水土地改良区事務所」とタイル製の表札が残っています。

小さな祠もあり、石碑が並んでいました。

 

「牟呂用水 百年之碑」があり、少し離れた場所に「国際かんがい排水委員会」の碑がありました。

           ICID-CIID

        国際かんがい排水委員会

 

日本国愛知県豊橋市豊川市新城市にまたがる豊川水系に位置する松原用水・牟呂用水は、400年以上前に、人造石を使用した建設への先進的や利用や、自動転倒ゲートの設置、舟の航路とともに河道に対して直角に堰を設置する一文字堰などの優れた技術が設計されている。

よって、ICID世界かんがい施設遺産に登録する。

 

「舟の航路」、現在では想像がつかない機能もあったようです。

 

さらに離れた場所に「牟呂松原頭首工之碑」がありました。

  牟呂松原用水事業の概要

 この事業は牟呂用水土地改良区と松原用水土地改良区との農業用水と合理的に取水するとともに、新たに上工業用水を豊橋市地域に供給するため、頭首工の新設と用水路の改修を実施したものである。 牟呂用水の旧井せきは明治27年新城市一鍬田地先に、松原用水の旧井せきは明治9年宝飯郡一宮町松原地先、豊川に築造され、以来75年或は100年の永きに亘って両地域における農業発展の原動力としてその役割を果たしてきた。しかし近年これ等の施設の老朽化が激しく機能は低下して計画的な取水は困難になった。又第二次大戦後食糧増産が緊急課題となるやその対策の一として、昭和26年県営かんがい排水事業として採択され、先づ牟呂用水改修工事に着手した。その後昭和34年牟呂用水松原用水の頭首工を統合することに決定し、昭和36年には愛知用水公団事業に編入された。当時豊橋一円の地域開発は着々として進展し水需要は益々増大したので、本頭首工より都市用水を供給するよう、愛知県が受託県営事業として継続実施した。本事業はここに16年の歳月を費やして、頭首工の新設と水路回収総延長52.2キロメートルの全工程を総事業費19億円をもって完成した。

  昭和43年3月  愛知県農地部長  永田三之撰文

 

地図にはない小さな公園でしたから、あやうくこの歴史が記述されている石碑を見逃すところでした。

 

2019年に豊橋駅のすぐ近くにある牟呂用水を知ってから、いつかみてみたいと思っていたその始まりでした。

 

 

 

 

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