深谷のねぎ畑は壮観で美しく、そして岡部駅へ向かう途中のブロッコリー畑もそして本庄市の備前渠用水のそばのブロッコリー畑も10月下旬の秋の日差しの中でそれはそれは美しいものでした。
あちこちを散歩をしていると、ほんとうにブロッコリー畑が増えたことを感じます。
最近はほぼ毎日食べています。
カリフラワーは子どもの頃からあり、それに対してブロッコリーを食べ始めた記憶は1980年代頃だったかと記憶をたどるのですがはっきり思い出せないままでした。
で、いつものごとくWikipediaのブロッコリーを読んでみたら答えがすぐにわかりました。
日本へは、明治時代初期に観賞用に渡来したが、長く普及しなかった。第二次世界大戦後になって本格的に栽培が始まり消費が拡大して、昭和50年代になってから健康的な食生活に関心が集まり、栄養価が高いブロッコリーが注目されて食用として広まった。
1970年代後半ごろだとたまに買うぐらいのまだ珍しさで、しかもカリフラワーの方が馴染みがあったので少々青臭く感じるブロッコリーはおそるおそる買ったという記憶です。
その「生産・流通」に「日本のカリフラワーとブロッコリーの収穫量の推移(1973-2012年)」があり、記憶がそれほどこのグラフと違っていないことがわかりました。80年代のブロッコリーのデータはなくて、90年代に入るとカリフラワーと逆転していくようです。
常温でも外見が変化しないカリフラワーに対し、ブロッコリーは収穫後直ちに低温保存しないと変色が進んでしまうことから、保存技術が未熟だったブロッコリーの流通量は、カリフラワーに大きく水を開けられていた。しかし低温流通技術の開発や家庭における冷蔵庫の普及により、1980年代頃からブロッコリーの生産・流通が急速に拡大。
いつ頃からか夏場にも国産のブロッコリーが出回るようになって驚いたのですが、あっという間に1年中見かける野菜になって重宝しています。
食べる側の好みだけでなく、産地リレーで野菜を安定供給するための技術や流通の進歩があったことが急激に消費されるようになった背景のようです。
ブロッコリー畑のそばを散歩すると、1980年代ごろからの記憶と重なって大地が生み出す魔法を見ているような気分ですね。
*指定野菜と特定野菜*
突然ブロッコリーについて整理したくなったのは、最近ニュースで目にしたからだったのですが、何のニュースだったっけと検索したらこれでした。
ブロッコリーも"仲間入り"指定野菜って?
日々の食卓やお弁当を彩ってくれるブロッコリー。国民生活に重要だとして国が位置付ける「指定野菜」の1つに加わることになりました。実は、指定野菜に新たな"仲間が加わるのは、およそ半世紀ぶりなんです。なぜいま新たに指定されることになったのでしょうか。
(「サクサク経済Q&A」NHK、2024年1月30日)
「2026年度より消費量が多く国民生活に重要な指定野菜として適用となる」(Wikipedia)
生まれてこのかた離乳期以降、一日も絶えることなく食べてきた野菜ですが、指定野菜と特定野菜があることを知らないまま来てしまいました。
*指定野菜に追加は半世紀ぶり*
NHKのその記事に、半世紀ぶりに指定野菜に追加になることが書かれていました。
指定野菜になると何が変わるんですか?
農業は天候によって収穫量や価格が左右されやすい側面があります。
指定野菜になると、価格が下落した際、大規模な生産者に支払われる補助金が手厚くなります。
このため、安定供給につながることが期待されているんです。指定野菜に新たな野菜が加わるのは、1974年にばれいしょ(じゃがいも)が追加されて以来、実におよそ半世紀ぶりなんです。
なぜ半世紀ぶりなのか。
おそらく当時の農産物輸入自由化への動きや、補助金で国内産業を保護することに反対する圧力が高まった時代の雰囲気だったのではないかとつながってきました。
当時は「これからは競争力の時代」のような感じでしたからね。
大雨や天候不順に大きく影響を受けたり反対に豊作すぎても価格が暴落してしまうのに、多少の値上がりはあってもずっと野菜を食べることができたのは、「野菜産業の健全な発展と国民消費生活の安定を目的とした法律。野菜法」で守られてきたのだと言えそうです。
おかげで生野菜も安全にいつでもたくさん食べられるようになったし、もう一生食べられないかと思った海外の野菜まで国内で生産されるように多様な野菜を1年中食べることができる夢のような時代になりました。
こうした生産から流通までに携わるさまざまな仕事やそれを法律で守るための仕事も、そして農地を守る利水や治水の仕事もまさに専門性の高い知識や技術が必要であり実業ですね。
観光とは無縁のような場所を歩いていますが、どの場所からもつぎつぎに想いを馳せることが湧き上がってきて飽きることがありません。
野菜についても本当に知らないことばかりだったと、やり残した課題が増えていくのでした。
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