生活のあれこれ 48 生活を骨抜きにする「骨太の方針」

いろいろな政治の闇が見てきたので、「【速報】石破茂氏と小泉進次郎氏が官邸訪れ岸田首相に提言 漁業観光業一体で地域経済活性化する「海業」の推進に向け」というニュースにすぐ反応しました。

 

世論調査で「次の総理」候補の上位にあがる2人が、岸田首相に提言を行いました。

7日午後、官邸を訪れたのは、石破元幹事長と小泉進次郎環境相です。

石破氏と小泉氏らは岸田首相に、漁業や観光業などが一体で地域経済を活性化する「海業」の推進に向けた提言を行いました。

石破元幹事長:

きょうは海業の勉強をやってきましたが、その座長・小泉さんとメンバーが参っております。

小泉元環境相

海業っていうのは、なぜ漁業ではないのかっていうと、もはや港町では漁業だけでは食っていけない。

岸田首相:

ぜひ、今日までの石破会長をはじめ、皆様のご努力、しっかり政府としても受け止めています。

提言を受けた岸田首相は、政府が6月まとめる「骨太の方針」に間違いなく明記すると応じました

(FNNプライムオンライン、6月7日17:02)

 

なんだ「速報」を出すくらいなので、先日ニュースになっていた「首相退陣を求める」かと思いました。

 

そのあと、この行間を埋める小さなニュースが。

岸田首相『海業』めぐり小泉進次郎氏と応酬『初めてと思うが』『さすがに聞いたことがある』

岸田文雄首相は7日、自民党の水産総合調査会(会長石破茂元幹事長)メンバーと官邸で面会し、漁村の地域資源の利用活用による賑わい創出の取り組み「海業(うみぎょう)」の推進に向けた提言を受け取った。

面会で、調査会メンバーの小泉進次郎環境相は開口一番「おそらく首相が官邸で初めて聞く言葉の一つが『海業』だと思う」と述べ、提言の内容を説明。首相は苦笑いを浮かべつつ「初めて聞くだろうとおっしゃったが、さすがに私も聞いたことはあり、勉強したことがある」と応じた。

「海業」の言葉の発祥は、小泉氏の地元・神奈川三浦市。会談で、小泉氏は海業を「一言で言えば、海の地方創生」だと解説した。

産経新聞、2024年6月7日19時37分)

 

いやあ、さすがに「首相」に向かって失礼ですよね。

知らないわけないじゃあないですか。能登半島地震に対する「被災者の生活となりわい支援のためのパッケージ」で使われていますからね。

それとも、能登半島に対するこの方針を読んでいない国会議員の方もいらっしゃるのでしょうか。

 

まあ、「なりわい」とか「海業」とかふわりとした言葉は、その地全体の実情を無視していると思って良さそうですね。

 

 

*「観光だけでは食っていけない」のでは?*

 

地元の代議士とはいえ、生まれる前の時代を知らないのかもしれませんね。

散歩をするようになって、観光地三浦半島のイメージがすっかりと変わりました。

 

「坂道を登れば平らな台地」三浦半島1960年代初頭は自己水源(井戸)しかなかったのが、はるか遠い宮ヶ瀬ダムから送水されるようになったことで、美しいパッチワークのような畑に変わり「三浦の野菜」として知られるようになったし水があるから観光地にすることもできた、あたりまで私の中の歴史が整理されました。

 

1970年代から80年代ごろからの国内の観光ブームのあとが少し裏寂しくなっている場所もありますが、三浦半島をまわると、小さな漁村や農村がつづら折りの道の間に見えて、時代の変化を生き抜いてなんともどっしりとした街が感じられます。

 

「漁業では食っていけない」よりは、むしろ「観光では食っていけない」が正確ではないかというのが私の印象でした。あくまでも私のですけれど。

 

「モノ」「カネ」「情報資源」と同列で「ヒト(国民)」とするような経済財政諮問委員会の価値観に、築いてきた生活を骨抜きにされてはたまったものではないですね。

 

今までは「政治と金の問題」だったことが、根は「経済財政諮問会議」という民間会議が牛耳る「骨太の方針」に毒された人たちが問題なのだと見えてきました。

ほんと、「亡国の使徒」だったのだとやっと20年ほど前の先人の言葉を実感する昨今、手遅れなのかそれとも反撃するのはこれからなのか。

 

 

 

 

 

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