散歩をする 543 飯山線で千曲川から信濃川へ車窓の散歩

11時15分、越後川口行きの飯山線に乗りました。平日でしたが2両編成の列車は満席です。

 

落ち着いた街が車窓に見え、小高い場所にある飯山城址公園を抜けると、千曲川の堤防沿いに田んぼのある風景になりました。これから稲刈りの田んぼが黄金色に輝き、白鷺もいます。

千曲川の対岸は見えないのですが地図ではそこが木島平村で、飯山駅で食べたおにぎりのお米の産地のようで航空写真では広大な水田が広がっています。いつか歩いてみたいものですね。

 

ゆったりと流れる千曲川の川面は、今回は上流から下流へと向かっているのに戸惑うようなおだやかな流れです。

ちょうど4年前は下流から上流への飯山線の車窓の風景でしたが、あの時もまるでダム湖かと思うような静かな風景だった記憶が残っていました。

 

ふたたび千曲川が近づき、戸狩野沢温泉駅で多くの人が下車しました。越後川口行きは前の車両だけになり、切り離された後ろ側は長野方面へと戻って行きました。

前の車両へ移動したらロングシートしか空いていなかったので、体を捻りながら車窓の風景を眺めることになりました。

 

ここから一気に山あいの雰囲気になり、川のそばを走ります。

それでも急峻な流れはなく、どこまでもゆったりしているのが不思議です。

西大滝駅の手前に、川面を眺められるような東屋が見えました。羨ましいですね。

西大滝駅でまたたくさんの人が下車し、ボックス席の窓側に座ることができました。

西大滝駅の先には西大滝ダムがあり、ゆったりしていたのはダム湖だったのも理由の一つでしょうか。

 

このあたりから沿線の家の周囲にコンクリート製の水槽があるのがが見えたのですが、雪を溜めるのでしょうか。

国土の半分は豪雪地帯であり4~5月に融雪洪水が起こるという生活があることを、恥ずかしながら数年前に知ったのでした。

 

横倉駅のそばに赤い穂のススキが見えました。9分ほど停車したあと列車は県境へと向かいましたが、このあたりでGPSの反応が遅くなり風景に追いつかなくなりました。

森宮野原駅を過ぎて、千曲川から信濃川になりました。

計画を立てる時に県境を歩いてみたいと思いましたが、時間が足りなくてあきらめました。車窓からはそれほど人里離れた場所でもなさそうです。いつか歩いてみたいものです。

 

県境を越えると、ゆるやかに大きく蛇行する信濃川の右岸は崖が続く風景です。

4年前に飯山線に乗って帰宅してから航空写真を見直したところ、あの崖の上には広大な水田地帯があったことに驚きました。溜池があり「新田」という地名もあります。

ただただ県境の山林だと思っていたのに、田んぼが整然とあり、水路が管理されているようです。いつかこの田んぼも見てみたいものです。どんな歴史があるのでしょう。

 

列車はゆるやかに蛇行する信濃川の左岸の山裾を下流へと向かっていますが、それほど下っている感じもなく、地形もゆるやかな印象です。

カワウが飛んでいるのが見えました。かつては絶滅の危機にあったのが今度は人の生活との攻防戦になってしまいましたが、この地域ではどうなのでしょう。

 

沿線はススキや秋の草が美しい風景です。

越後田沢駅でまた水田の風景が増えました。人間の世界はごちゃごちゃしているのに、どこもほんと整然とした田んぼの風景で、そばの白い花が広がる場所も見えました。

 

県境をこえて新潟県に入ると、あの浦佐駅のあたりで見かけたブータン風の家を見かけるようになりました。

ゆったりとしながらも変化に富んだ信濃川の風景が続き、あっという間に2時間が過ぎて13時すぎに十日町駅に着きました。ここで25分停車です。

 

13時39分に十日町駅を出発し、ふたたび車窓に集中です。

信濃川に白鷺の群れが佇んでいました。どこを走っているのか確認したいのですがGPSは追いつかず、越後岩沢駅の近くではとうとう圏外になってしまいました。車窓からは住宅がけっこう見えたのですが。

 

信濃川が大きく蛇行する場所のトンネルを越えてふたたび信濃川のゆったりした川面が少し見えると14時6分に懐かしい越後川口駅に到着し、人生で2回目の飯山線の車窓の散歩が終わりました。

 

4年前は「もう二度とこの路線に乗る機会はないかもしれない」と決死の覚悟だったのですけれど、歩いてみたい場所が次々とできてしまいました。

 

 

 

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