食べるということ 35 列車の中で食べる

「桑名といえば焼き蛤」のイメージだけが強くて、桑名駅についたら新宮までの特急の中で食べるお弁当を買おうと楽しみにしていました。

軽い昼食のつもりのサンドイッチも地面にぶちまけたので、なおさらお腹が空いたのでした。

駅弁については調べていなかったのですが、桑名駅には絶対に美味しいお弁当があると信じていました。

 

特急が来るまで20分ありますから余裕で買えると思い、一旦、改札を出ました。

駅構内には駅弁のお店がありません。

近くを歩いてみましたが、お弁当を売っているお店もコンビニもありません。

勝手に作り出した幻の焼き蛤弁当どころか、おにぎりさえ買えなさそうです。

 

駅に隣接するビルにお惣菜屋さんがあり、そこでアサリの炊き込みご飯を見つけました。お惣菜を2種類ほど購入して、イメージとは違うけれどなんとか列車で食べるものを買うことができました。

 

ちょうど、そんな時に新幹線での車内販売が終了するというニュースがありました。

たしかに他の私鉄などでも、車内販売がない列車が増えました。

駅周辺や駅構内にお店が増えて、どちらかというと乗る前に食べるものを選ぶのもちょっとした遠出の醍醐味ですね。

私自身は、2〜3時間ぐらいならほとんど列車内で食べることはないのですが、それでも売店はついつい眺めてしまいます。

乗車前にお弁当類を購入する人が増えたのでしょうし、あの長い新幹線の車両の狭い通路を移動するのも大変そうです。

食堂車をほとんど見かけなくなったように、これも時代の変化なのでしょうか。

 

ただ新幹線や大きな駅などではそういう売店が充実しているのに対して、今回、乗り降りした駅では小さなKIOSKがあるだけというところもありました。

 

子どもの頃の記憶では、在来線の特急の停車駅では窓の外や座席のところへと、お弁当や名産品を売りにきてくれていました。

東南アジアでよく利用したハイウエイバスも、バスが停車するとたくさんの売り子さんが集まってきて、その地域の珍しい果物や食べ物を窓から購入することができました。

 

次の一泊二日の旅では事前にお弁当を買える場所も確認しておかなければと、ちょっと寂しい気分になりました。

需要と供給の関係なので、嘆いても仕方がないのですけれど。

 

 

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