散歩をする 292 木曽川を見る

知多半島から名古屋に到着したのが、まだ12時前でした。

途中の師崎港周辺を歩くつもりだったのですが、小雨が降っている天気だというのになんとどこかに傘を置き忘れるという人生で初めての失態。傘無しには歩けず、近くにも傘を売っているお店もなかったので一本早いバスに乗ったのでした。

 

名古屋からは東海道新幹線ではなく、まだ乗ったことがないJR中央本線の名古屋ー塩尻間を特急を利用する予定でした。

そうすると、愛知用水の水源である木曽川中流と上流域を見ることができます。

そして塩尻からはあずさに乗って都内へ戻ると、この二日間のJR線の切符を一筆書きになるのでした。

 

特急ワイドビューしなの号を1時間早い列車に変えましたが、それでも1時間ほど名古屋駅で余裕があります。

ただし、一筆書きにすると名古屋駅金山駅間が重複する関係で改札を出ることができないと、購入の際に駅員さんから教わりました。名古屋駅構内はあまりお店がないので、時間をどうやってつぶそうかと思いましたが、目の前に新幹線のホームが見えるではないですか。

 

新幹線見放題で、あっという間に時間が過ぎました。

目の前を通過する新幹線が、あの大高トンネルを通る と思うだけで、また新幹線の走っている風景が違って見えるのでした。

 

JR中央本線木曽川上流を見る*

 

特急ワイドビューしなの号が名古屋を出る頃には、青空が広がっていました。川の水面が青く輝く、絶好の天気です。

都市の風景から住宅地になり、庄内川を越えてしばらくは庄内川沿いに進みます。

東海道新幹線で名古屋を出ると木曽三川の前に渡る庄内川が、この辺りを流れていることがつながりました。名古屋は無数の川や水路が合流して伊勢湾に流れ込んでいますが、あの伊勢湾台風以降、どのような水害対策の積み重ねだったことでしょう。

 

庄内川岐阜県境を越えると土岐川になり、多治見駅、土岐駅と川沿いに列車が進みました。ちょうどこの山の反対側に木曽川が流れ、愛知用水の取水口があります。鉄道駅から離れていて、バスもコミュニティバスだけなので行くのは無理かなと思っていたのですが、車窓から山を見ていたら、いつか取水口のあたりへ行ってみたくなりました。

 

釜戸駅のあたりから、水田があり、落ち着いた街が広がっていました。ちょっと高山本線の車窓の風景に似ています。

少し長いトンネルを抜けると、恵那市の風景が広がりました。前日からの雨の影響もあるのでしょうか、水量の豊富な阿木川が中心部を流れています。

この下流木曽川本流の大井ダムがあり、そのダム真下で木曽川に合流するのですが、地図では反対の木曽川右岸側から流れてくる和田川がこの阿木川の真正面で木曽川に合流しています。まるで川と川が垂直に交差しているかのように描かれているその場所を一度見てみたいと、散歩の計画ノートに書いておいた川でした。

 

阿木川を渡ると、しばらくはため池の多い沿線の風景でした。

どうやって、安定した水を得て生活を築いてきたのでしょうか。

また視界が開けて、木曽川の支流である中津川を超えました。この川も水量が豊富です。

 

落合ダムを過ぎると、ここからはいよいよ木曽川本流沿いに中央本線が進みます。

いくつかダムを過ぎ、野尻駅のあたりから山頂に残雪がある風景になりました。

 

倉本駅を過ぎると、寝覚めの床を通過するアナウンスがありました。「ねざめのとこ」、漢字が思い浮かばずになんのことだろうと思っていたら、今までとは一変した岩と緑色の水の風景でした。慌ててスマホにメモしているうちに、あっという間にまた風景が変わりました。

 

しだいに両側の山が低く感じるようになりました。それまで車窓に顔をくっつけるように見ていたのですが、寒く感じるようになったら、車内に暖房が入りました。

木曽ダムを越えるあたりから、沢にも残雪が見られます。

ゆっくりと列車が木曽川に沿って走るようになり、木曽福島駅のあたりから川幅も少し狭くなり、河床も浅いゆったりした流れになりました。

原野駅で、特急同士のすれ違いのため一旦停車しました。遠くに真っ白な山が見えました。

藪原駅を過ぎたところで、木曽川は北西へと流れ見えなくなりました。

 

また少し長いトンネル内に入りました。

トンネルを抜けたら、なんとそこは雪一色の風景です。奈良井駅のあたりから今度は奈良井川を見ながら列車は進みます。

奈良井川中流犀川に名前を変え、さらに千曲川へ合流して最後は信濃川になる川です。

 

長野は雪なのかと思ったら、途中からまた残雪が少しある風景になり、塩尻駅周辺は風は冷たかったのですが、春の風景でした。

 

塩尻駅からあずさで*

 

塩尻駅からのあずさ号も、予定より1本早い列車に変更したので、明るいうちに都内へ戻れそうです。

天竜川の始まりを見に行った時に通過した、さまざまな水の流れをみることができそうです。

車内はガラガラのまま、塩尻駅を出発しました。

ところが都内の落雷の影響で、途中駅から各駅停車のようにゆっくりになり、大月のあたりで夕闇になりました。それからも、徐行したり駅でしばらく止まったりでした。

 

東京アメッシュを確認すると、都内はすごい雨のようです。

その雨雲を追うようにあずさが走っていたので、車窓からは夕焼けが綺麗でした。

私にすれば途中ゆっくりと風景を見れたので、これも散歩の醍醐味ですね。

 

たった2日間で安全に、確実に、ぐるりと川や用水路を訪ねることができました。

鉄道やバスが網羅され、水害にも強くかつ水不足にもならないような対応がされているのはすごい社会だと改めて思った散歩でした。

 

 

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