内閣総理大臣公邸の魑魅魍魎から、政治家の皆さんは何を恐れているのだろうと考えていたら、もしかすると「裸の王様」だと気づくことかもしれないと思えてきました。
やはり「自分を証明するカード」にするには不安が大きいインシデントレポートがたくさん出てきたというのに、ヒューマンエラーという用語が技術的なことや現場の人たちの責任だけの話になってしまいそうな雰囲気ですね。
*「欠陥のある決定の兆候」*
もう巨額をかけて動き始めているのだから後戻りはできない、技術でなんとか解決するという社会の雰囲気になりそうな、それこそが「失敗」ではないかと漠然と思っていたことが「裸の王様」という言葉とつながりました。
2014年に裸の王様シリーズで4つの記事を書きました。
その「裸の王様と集団思考」に「欠陥のある決定の兆候」を引用していましたが、まさに今の状況と重なりますね。
欠陥のある決定の兆候
1. 代替案を充分に精査しない
2. 目標を充分に精査しない
3. 採用しようとしている選択肢の危険性を検討しない
4. いったん否定された代替案は精査検討しない
5. 情報をよく探さない
6. 手元にある情報の取捨選択に偏向がある
7. 非常事態に対する計画を策定できない
引き返すタイミングもあったのに、マイナンバーとマイナンバーカードの意味もうやむやにされてそのまま任意のはずが突然、義務化の流れになり、問題を指摘されても耳を傾けることもない。
なんのためのマイナンバーカードなのか見失ったかのように、まさに裸の王様へと変化していったことがわかりますね。
マイナンバーカードに限らず、統一教会に対する対応でも同じでした。
そして感染対策も。
「団結力のある集団が、構造的な組織の欠陥を抱え、刺激の多い状況に置かれると集団思考に陥りやすい」、「自分たちの集団に対する過大評価」、まさに政治家というのは裸の王様になりやすい状況のようです。
せっかく選挙で託した人には服を着てもらいたい。
そういう声が大きくなればなるほど、裸の王様は心を頑なにしていった話は昔話にもありそうですね。
次から次へと聞こえのいい政策を打ち出してくるのも、焦りゆえでしょうか。
マイナンバーカードの技術的なリスクマネージメントよりも、政治家が裸の王様にならないようにするにはどうしたらよいかが今回の「ヒューマンエラー」の問題であり、社会はその解決方法を模索しているように見えるのですが。
ここで立ち止まることができたら、おそらく一世紀後にはとてもすごい遺産になっているかもしれませんね。
どんどんと増える魑魅魍魎、あなおそろしですね。
「鵺(ぬえ)のような」まとめはこちら。
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