ここ数年の物価の値上がりはほんとうにつらいものがありますね。
季節の果物はすっかり贅沢品になりました。
物を小さくして値段をなんとか据え置きという「実質値上げ」で、今まで当たり前のように購入していた食品に手が出なくなりました。
久しぶりに食べたいなと思っても、その消費税でもう一品別の食品を買えそうですからやはり手を引っ込めてしまいます。
「贅沢をしたらいけない」「今までが食べ過ぎていたのだ」と思うことで、生活の質がどんどんと落ちていく絶望感を抑え込んでいるような感じです。
10年ほど前はまさか、ここまでの鬱屈した生活になるとは想像していませんでしたね。
*物の質が落ちたこともつらい*
値段は上がっても品質がそのままであれば、適正な価格だと思います。
ところが物が小さくなったのに味も落ちたと思うものがあります。
今までの味とは明らかに違って、何かで代用せざるを得なかったのでしょうか。
でも今は我慢するしかない時代なのかなと、あきらめそうになります。
食品だけでなく水着や下着など、今までそれなりに品質が良くて信頼できた衣料メーカーの質が明らかに落ちたことを感じます。
以前のように実際に物を見て買えるお店が激減して、通販で購入することが増えました。
写真では同じ物のようで、それなりの値段です。
このメーカーならと思って購入すると、数回の洗濯でほつれが出始めます。
ほつれてくると、なんだかみじめな気分になりますね。以前はこんなことはなくて、2~3年使ってもしっかりした物だったのに。
「安物買いの銭失い」ならあきらめもつきますが、値段に見合った品質でなくなった。
今までと違って明らかに手を抜いているのが見えるのは、社会で維持してきた信用が明らかに落ちてきたわけで、日本社会の失敗を直視するようでつらいですね。
まさに売り手にも買い手にもぽっかりと大きな穴が空いた「空洞化」という言葉がぴったりの時代になってしまいました。
これもここ30年ほどの労働の対価としての適正な価格と適正な給与と税金のバランスの悪さの結果だろうなと見えてきました。
こんな時代に潤っているのは誰だろう、そしてどうすればよかったのだろう。
結果、信用という大事なものを失うという社会の失敗を取り戻すのは大変そうですね。
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