今回の最初の目的地北上川河川歴史公園に近い駅は、御岳堂と柳津があります。
最初、御岳駅で降りて河川歴史公園から柳津駅まで歩いてみようと思い検索して見たのですが、どうも乗り継ぎの時間がうまく行きません。
それで柳津駅に変更してみたところ、その方が「列車」本数があるようです。気仙沼線に急行と各駅停車があるのかと思ったのですが、それが前谷地から柳津駅まで、従来の列車とBRT(バス・ラピッド・トランジット)が並列して運転している意味だということに、あとで気づきました。
あらかじめみどりの窓口で乗車券を購入する時、このBRT区間も含めた1枚の乗車券にできるか確認した時にも、窓口の方が「?」という表情で調べてくださったので、ちょっと特殊なルートになりそうな気配を感じました。
*仙台で列車が遅れる*
先に乗り換え案内で検索したので、「仙台→小牛田→前谷地→柳津」で乗り換えることがすぐにわかりましたが、地図と時刻表だけだったらおそらくどこでどう乗り継いだらよいか相当悩んだのではないかと思うほど、そのあたりの路線が複雑です。
ネットの乗り換え案内がある時代で、ほんとうに助かったと思いました。
さて、今回は東京駅から新幹線に乗りました。さまざまな新幹線が通過する大宮駅にさらに東海道新幹線のホームもありますから、さぞかし壮観だろうと期待したのですが、東海道新幹線の改札とは別になっていて、ホームも少し離れているので想像と違いました。
それでもワクワクしながら東北新幹線に乗り、何度見ても飽きない利根川が作り出した関東平野、そして次に阿武隈川流域の風景を見ていたらあっという間に仙台に到着しました。
順調な旅の始まりと思ったら、仙台駅で東北本線に乗り換える際、近くの踏切で車が立ち往生したとのことでダイヤが乱れていました。
小牛田で石巻線への乗り換え時間はわずか10分ほどですから、間に合いそうにありません。
これは柳津で降りて北上川河川敷公園に行くことは無理で、1時間後の「列車」で通過するだけになりそうです。
がっかりですが、立ち往生の車も無事に救出されたようですし、列車が動き始めたことに感謝して、ここからはいきあたりばったりの旅だと気持ちを切り替えたのでした。
*仙台から塩釜、松島*
広々とした仙台郊外を抜けると、じきに小高い場所が多くなり、駅名も岩切、陸前山王、国府多賀城と、初めての東北本線でしたが、川が作り出した地形を想像できるかのようです。
そして塩釜駅は、坂道の多い小高い場所にありました。
塩釜というと漁港の町というイメージだったのですが、Wikipediaの塩釜の概要を読むと、この丘陵地から埋立地へと市街地が広がったようです。
しばらくすると、楽しみにしていた美しい松島の風景が途切れ途切れですが見え始め、牡蠣の養殖養殖場や改修の進んでいる漁港が見えました。
こんどはこの海岸沿いをぜひ歩きたいと思っているうちに、あっという間に松島駅を過ぎて、高城川に沿ってぐんと内陸部へと入ります。
松島も塩釜と同じく小高い場所に駅がありましたが、ここからは少しずつ下がり、ひろびろとした田園風景が続きます。
地図で確認すると、鳴瀬川とその支流の吉田川によってつくられた水田地帯かもしれません。
その名も品井沼駅付近では、見渡す限りの水田が広がっていて、息を呑むような美しい風景です。
この東北本線からの車窓の風景を見ることができただけでも、来た甲斐があったと思いました。
小牛田には16分遅れの到着ですが、なんと、接続の石巻線が待っていてくれました。
ちなみに、「こごた」と読むようです。
小牛田町の歴史を見ると「明治22年(1889年)に南小牛田町と牛飼村が合併」とありますから、かつて牛がいたのでしょうか。
1本列車が遅れるのなら周辺を歩いてみようと思ったのですが、待っていてくれた列車に飛び乗ったのでした。
*前谷地から気仙沼BRTに乗る*
小牛田からも美しい水田と、アオサギがたくさんいる風景が続きます。
水田の周囲もきれいに草刈りがされているので、張り巡らされている用水路がよく見えます。用水路を求めての散歩にシーズンオフはなかったのでした。
前谷地に到着。ここからはいよいよ気仙沼線です。
ここから柳津駅までは列車とバスの両方が運行されているようですが、私が予定しているのはバスの方でした。
乗車時間まで時間があったので、外の待合所に行ってみました。
そこには、父を思い出させるような方が座っていました。会釈をして座ると、いろいろと話をしてくれました。最初は、独特の話し方で話の半分ぐらいしか聞き取れなかったのですが、大手建設会社で日本中のあちこちに行ったこと、沖縄の海洋博の建設現場でも働いたとのこと。
「でも、やっぱりここの風景が一番だな」と。
なんだかわからない感情がこみ上げて来て、「ほんとうに!」と答えたのでした。
気仙沼行きのバスが来たので乗りました。乗客はずーっと3人だけです。
このBRTは列車と違って、前谷地駅から柳津駅までは止まらないことが乗ってみてわかりました。
そしてこの区間は、地図で見た旧北上川沿いに通る線路とは違い、旧北上川とはだいぶ離れた一般道を走っているようでした。
35分ほど走ると北上川河川歴史公園が見え、滔々と流れる北上川を越えて柳津駅に到着しました。
地図上の妄想の旅の風景が、目の前に広がっています。
そして仙台駅での踏切事故の影響で大幅な計画変更を覚悟したのに、旅の計画どおりにこの地に立ったのでした。
あ、でも私の乗った東北本線の接続待ちのために、石巻線に乗っていた方の中で大幅に予定が狂ってしまった方がいらっしゃるかもしれません。ごめんなさい。
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