水のあれこれ 121 高いところにある水を利用する

磐越西線の車窓からは安積疏水の関連施設はほとんど見えそうにはないことは計画の段階からわかりましたが、ひとつだけ絶対に確認しようと思っていたことがありました。

それは、猪苗代湖周辺の地形が日橋川の方向へ向かって傾斜しているかどうか、ということでした。

あの、諏訪湖周辺の地域が天竜川の方向へと緩やかに下り坂になっていたように。

 

結果、そうだと思えばそう見えるような、ぐらいしかわかりませんでしたが。

 

 

*湖とは何か*

 

用水路から川や干潟、干拓地に関心が広がったのですが、諏訪湖天竜川の関係を初めて知って、私はそれまで「湖」について大きな勘違いをしていたことに今更ながら気づいたのでした。

「湖」とは「大きな池」のようなものぐらいの認識です。

 

子どもの頃に回った富士五湖とか芦ノ湖とか、それぞれの「大きな水溜り」が独立してあるようなイメージです。

その水はどこから来るのか、そしてどこかへ行くのかということを考えたこともなかったのでした。

 

諏訪湖の「地理」に、「流入河川:31河川」「流出河川:天竜川のみ」と書かれているのを見て、初めて「湖」とは水が出入りしている場所なのだと繋がったのでした。

そして水が流入するためにも流出するためにも傾斜が必要であること、流出入量のバランスが必要なことを考えると、湖というのはすごい存在なのだと思えてきたのでした。

 

Wikipedia猪苗代湖の説明には流入河川と流出河川の具体的な説明はないのですが、地図を眺めていると流出河川はこの日橋川のみのように見えます。

 もし、この辺りの地形ができる段階で傾斜が反対側へと傾いていたら、郡山方面には豊富な水が流れ、会津方面はトンネルを掘って猪苗代湖の水を必要としたのだろうかと妄想しました。

 

山の上にある水を利用するといえば、小学校の頃に深良用水を習った記憶があります。

箱根に降る豊富な雨が芦ノ湖の水源だと思っていて、その「貯水池」のようなところから水を使っているイメージでした。

 

先月の台風19号で被害が大きかった芦ノ湖周辺ですが、早川水系に属する二級河川とあります。いやはや、沼なのか、川なのか、海なのかそして「湖なのか川なのか」、境界線も定義も明確ではないことがたくさんあるのですね。

 

その芦ノ湖の流出河川が、小田原駅の次にある「早川駅」のそばに流れている早川であることが、ようやく最近つながったのでした。

 

湖から流出する河川や、湖の水を利用する疏水。

また、散歩の計画が増えそうです。

 

 

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