下水道についてのあれこれ 9 使用済み紙おむつの処理

「使用済み紙おむつ リサイクルで紙おむつ量産へ ユニ・チャーム」(2020年10月22日、NHK NEWS WEB)というニュースがありました。

高齢化などで紙おむつを使う人が増える中、日用品メーカー大手のユニ・チャームは、使用済みの紙おむつから紙パルプを取り出す独自の技術で新しい製品へとリサイクルする生産拠点を2030年までに国内で合わせて10か所以上建設することを明らかにしました。

これは会社が22日、東京都内で開いた会見で明らかにしたものです。

これによりますと、使用済みの紙おむつを特殊な設備を使って洗浄し、国の衛星基準を満たした良質の紙パルプを取り出す独自の技術を使って、新しい製品へとリサイクルする生産拠点を、2030年までに国内で合わせて10か所以上建設するとしています。

使用済みの紙おむつは、現状では多くが焼却処分されていて、リサイクル資源の活用や二酸化炭素の排出を抑えるための技術をどう確立するかが課題となっていました。

会社ではすでに鹿児島県で実用化に向けた実験を行っていて、今後量産に向けて、全国の自治体とも連携し使用済みの紙おむつを効率的に回収する仕組み作りを検討するとしています。

 

「使用済み紙おむつのリサイクル」

この発想はなかったと驚きました。

 

産科病棟では、新生児の紙おむつが毎日毎日たくさん出ます。

また紙おむつではないのですが、分娩後に使用する産褥用ナプキンも大きいものがたくさん医療ごみとして出されています。

トイレのたびに「今この東京で出る排泄物と汚水はどれくらいなのだろう」と気が遠くなるように、この紙おむつやナプキン類の量にも圧倒されています。

 

80年代ごろから病院だけでなく一般に急速に広がった紙おむつも、利便性だけでなく感染症対策という意味もあるので衛生用品は手作りや再利用の時代ではないと思っていたのですが、きちんと処理する行程を経れば再利用の可能性もあるのですね。

 

このニュースの3日前に、国土交通省tweetでも驚いた話がありました。

「介護、子育ての負担軽減へ!下水道への紙オムツ受け入れ実現に向け、官民連携で導入豊作検討を進めます〜『下水道への紙オムツ受入実現に向けた検討会』を開催〜」

 

どうやって下水に流すのか想像がつかないのですが、この発想もありませんでした。

 

焼却するしかなかった紙おむつの処理方法を、真剣に考え続けてくださっていた方々がいることに、なんだか未来が明るく感じるニュースでした。

 

 

「下水道についてのあれこれ」まとめはこちら