散歩をする 378 中川源流から葛西用水路へ

7月下旬の九州三泊四日の記録がようやく3ヶ月半遅れで終わりましたが、6月中旬に訪ねたこの記録がまだだったことに気づきました。

散歩の日程のメモと、散歩の途中で綴ったiPhoneのメモをプリントアウトしてホッチキスで止めているのですが、紛れていたのか、九州の散歩の記録を早く書きたくて焦ったのか、なぜブログへの記録が終わっていなかったのか記憶にありません。

 

さて、地図を眺めていて葛西用水路が目に入るようになったのは、2016年ごろから都内の公園や川を散歩するようになり水元公園に行ってみようと思った頃だったと思います。大きな公園の西側に中川が蛇行していて、そのさらに西にまっすぐな水路が流れていて「葛西用水」だと知りました。

葛西といえば葛西臨海公園のある江戸川区を思い浮かべるのですが、地図でたどってみると足立区のあたりで忽然となくなっていました。

どこからくる水なのだろうと地図を眺めましたが、あちこちで川を何本も越える複雑さのためいつも途中で見失ってしまうのでした。

 

そうこうしているうちに次第に関東平野の川へと関心が広がり、1990年代初頭に知った利根大堰を訪ねてみました。見沼代用水・武蔵水路そして埼玉用水路の3つの大きな水路に分水され、埼玉用水は東へと直角に曲がって数キロほど流れると東武東上線を超えたすぐのところで利根川右岸に近づき、そこから「葛西用水路」となっていました。

ああここが取水口だったのだとまた用水路をたどってみたのですが、あまりに複雑でいまだに埼玉県の途中で見失ってしまいます。

 

羽生駅から歩いて行けそうな場所です。いつか行ってみようと計画ノートにありました。

 

 

*羽生へ*

 

6月中旬、その日の記録を見ると午後1時ごろに家を出ていますから、おそらく日が長くなったこの時期だったので突然行ってみようと思いたったようです。

湘南新宿ライン宇都宮行きのグリーン車に乗り、また車窓の散歩です。車窓からは濃い青紫の紫陽花や白の夏の草花が見えますが、名前がわかりません。これからは草花の名前も記録に残したいものです。

 

荒川をこえ、東大宮駅の手前に見沼代用水西縁と芝川が見えました。つぎに見沼代用水東縁と綾瀬川を過ぎると、蓮田駅の手前で半年前に見沼代用水東縁を背に水田を眺めながらおにぎりを食べたベンチが見えました。

この車窓の風景から伊奈忠治と見沼溜井の歴史を思い浮かべられるようにになりましたが、もっともっと歩きたい場所が出てきますね。

 

水田地帯が少なくなり畑の多い小高い場所に入ると白岡駅でした。東北新幹線の高架橋が近づいて久喜駅に到着し、ここで東武東上線館林行きに乗りかえました。途中、「かす駅」かと思ったら「かぞ駅」でした。加須(かぞ)市だったとは。遠出をすると正しい地名を覚える機会になります。

 

「羽生」は「はにゅう」「はぶ」の読み方があるようですが、地形を表す「羽」からきたのかと思ったら、Wikipediaの羽生市の由来によると「埴輪」からのようです。

 

*中川「源流」を訪ねる*

 

初めて訪ねる羽生駅周辺ですが、行く前に地図を眺めていたら葛西用水路と中川が交差していて、中川が突然始まっている場所がありました。

ほんのひと月前にも歩いた中川ですが、そういえば源流はどこか知りませんでした。

 

Wikipedia中川の地理にこう書かれていました。

埼玉県羽生市街地の住宅地の中に、水源を発する。

本当に「源流」のようですから、ここをみてみたいと思いました。

 

羽生駅から数百メートルの市街地ですが、案外と道が複雑でGPSにたよりながら歩きました。昔の水路の暗渠を道路にしたのでしょうか、交差点に微妙に高低差があったり、緩やかに道が曲がっています。

南東からの県道129号線が急に北へと曲がる手前の交差点から突然と暗渠が始まっています。この下に「中川の源流」があることが不思議ですが、しばらく歩くと羽生南小学校の横から開渠になって本当に川が流れていました。幅3mほどでしょうか、コンクリート三面ばりの中川上流が300mほど続いていました。

 

その先に小高い土手が交差するようにあり、中川の水は一旦、土手のどこかへ消えていきました。

宮田落(農業用排水路)が葛西用水を伏せ越しで潜った吐口(羽生市東7丁目7-6地先)に起点を示す石標がある。

Wikipedia「中川」「地理」)

 

水のそばを散歩していると伏せ越に驚かされます。見沼代用水は江戸時代に造られた掛け樋から伏越にしたようですが、いつ頃から誰がどのようにこの技術を生み出したのでしょう。

しばらくその中川がマジックのように消える場所を覗き込みました。

 

土手のような場所に登ると、いよいよ葛西用水です。

 

 

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