ブログを書き始めて12年半が過ぎました。
最初は自分の考えを伝える手段として始めるまでには何百回も悩んだのですが、今では毎日の日記になり「当時の生活を垣間見る」ような記録を残す手段あたりに落ち着いてきました。
それでもまだ「自己顕示欲か」というあたりでの葛藤があります。
何と葛藤しているかというと、自分が偉そうに何かを語ることへの気恥ずかしさです。
また、読んでくださる方に自分の無知ゆえに間違ったことを伝えてしまっていないかという罪悪感あたりでしょうか。
「社会の何かに疑問を感じ、何かを良くしたい」という思いが強ければ強いほど、その自分の中の正義感の正体を疑うことも大事ですしね。
それでも、ちっぽけな自分という存在が世の中に影響を与えるなんて大それたことはそうそう簡単なことではありませんでした。
少なくとも十数年ぐらい前までは。
まぐれで新聞やテレビで取り上げられたとしても、そのあとの気恥ずかしさの方が大きそうです。
ブログもまれにアクセス数が増えると、何かやらかしたのかとドキドキしてしまいます。人に何か影響を与えるというのは責任が伴いますからね。
ところが最近、一瞬で何万人どころか何百万人、しかも世界中から注目されるとか、「人に影響を与えたい」という望みが容易にかなうような錯覚におちいることが増えました。
そして以前だったら「人に影響を与えたい」とか「有名になりたい」「注目されたい」なんて気恥ずかしくてとても人前では言えなかったのに、「インフルエンサー」なんて自称する人が現れたことにちょっと浦島太郎の気分になっています。
これもまたここ30年ほどの「私らしさ」を求めることに偏り、「人生の基本形の問い」から目をそらしてきたことによる自己愛や自己実現ブームの成れの果てではないか。
「インフルエンサー」という言葉が聞こえてくるたびに、自分のことでもないのにどうしようもなく恥ずかしい気分になるのです。
「シュールな光景」まとめはこちら。
これもまた「ヒト」の失敗とリスクという意味で、こちらにまとめておきましょう。