散歩をする 311 佐須街道から深大寺へ

地の塩のような文で引用した「この辺りの農民は深沙大王をはじめとする水神様の神通力を賜って」という箇所から、「深沙大王」を地図で探してみると、たしかに深大寺の西の端に「深大寺深沙堂」がありました。

 

2017年ごろから神代植物園と深大寺に行き始めてから、心が渇くと水の音を聞きに出かけています。

5月初旬にも訪ねたばかりですが、この時には深大寺前の水路は立ち寄らずに通過しました。

今回は深沙堂を訪ね、そしておそらく緊急事態宣言中で人も少ないでしょうから、深大寺のお蕎麦を食べようと思い立ちました。人気の場所ですから、今までは人が少なくなる夕方に訪ねていましたが、4時に閉店するお店が多い場所なので諦めていたのでした。

 

最近、深大寺用水に関連した場所を歩いたので、京王線の駅から歩いてみようと地図を眺めたら、柴崎駅の近くから「佐須街道」という蛇行した道に目がとまりました。

柴崎駅も降りたことがないし、ここを歩いて深大寺まで歩いてみよう。ちょっと行き当たりばったりの計画ができました。

 

柴崎駅から佐須街道を歩く*

 

最近は、あちこちの駅が2階の改札へと建て替えされているのですが、この駅はまだ改札が1階でした。改札の目の前に八百屋さんがあって、格安のお値段にふらりと立ち寄りたくなりましたが、まだ散歩はこれからです。

一旦、踏切を渡って、商店街を抜けて甲州街道を渡ったところから佐須街道が始まります。

Wikipediaで確認したら、「さす」ではなく「さず」と読むようです。

佐須街道ー東京都調布市の主要市道のひとつ。地内では「深大寺通り」とも称する。甲州街道国道20号)と接続する。(さずかいどう) 

 

1960年代ごろから80年代ごろの宅地化の変遷を見るような、暗渠化された道や家の造りをみながら歩くと10分ほどで、畑が見えてきました。果樹園の向こうにはおそらく1990年代ごろから建てられた10階建のマンションがポツリとあります。

そのさらに北側は、ぐんと小高い場所になっていて、切り通しの道があります。崖線のようです。

この辺りで、味わいのある蛇行した道は終わり、佐須街道は拡幅工事が終わったまっすぐな車道になりました。

 

ああ、ちょっとあっけない散歩だったなあと思ったのですが、右手にはずっと崖線の森が深大寺自然広場まで続いていて、あちこちに畑が残り、無人販売があるので飽きることもありません。

途中、佐須公園の表示があり左へと曲がったところ、昔からの大きな農家の敷地の保存樹木の間に道があり、半世紀ぐらい時空を超えてしまうような感覚に陥りました。

 

*水田があった*

 

地図では、調布市立柏野小学校の前から南へと野川へ合流する水路が描かれています。

その手前から少し低地が広がり、畑がずっと向こうまで広がっていました。水路に近づくと、予想以上の水量です。

その向こうに、祇園寺が大きな木々に囲まれて見えました。

その隣は量販店のお店があり交通量も多いのですが、ここだけ切り取られた絵のように静寂な雰囲気です。

 

小学校の前に「今もなお里山の風景を残す深大寺、佐須の地域資源」という大きな説明板がありました。

 

先ほどの水路が暗渠になり、その小学校から崖線の森の方へと続いています。小学校の裏手には水田があり、田植えが終わっていました。

ほんと、水田は健在ですね。

 

あぜ道にはホタルブクロが咲き、早咲きのコスモスも植えられていました。

祖父もそうだったのですが、農家の方は花ずきなのか、田畑のそばには色とりどりの花が咲いていますね。

 

この風景を見ただけでも、この散歩は大成功だったと満足しました。

 

中央自動車道の陸橋を渡り、1ヶ月前に通った懐かしい池ノ上神社のそばを歩きました。

本当は都立農業高校神代農場のそばを歩くつもりでしたが、蜂の気配が多くなってきたのでやめて、そのまま深大寺方面へと向かいました。

 

 

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