4月下旬、5時前に家を出るときにはうっすらと明るくなり始めていました。
小雨で気温も10度でしたが寒くはなく、薄手のカーデガンを羽織るだけで十分でした。
5時22分に品川駅に到着したときにはまだ新幹線口が閉まっていて、5時半に開くことを初めて知りました。6時発ののぞみ博多行きは、この2年間の中では一番、乗客が乗るのを見ました。
金目川と支流、そして高麗山のあたりや黄瀬川と本宿用水のあたりも見逃さないようにと、車窓の風景に集中です。
大井川右岸の水田では田おこしが終わって水が張られていましたが、袋井のあたりでは田植えが終わった水田もありました。
4月下旬、地域によってさまざまな水田の風景ですね。
三河安城を定刻通りに通過しましたのアナウンスに感謝し、今回の2泊3日の遠出は順調そうです。
関ヶ原のあたりでは山桜がまだ薄茶色の森の中に浮かび上がるように咲いている早春の風景でしたが、水田にはすでに水が張られていました。大雪だった今年ですが、雪解けから田植えまで案外と早いのですね。
滋賀では、畦道を歩く集団登校中の小学生の列が見えました。
水田だった地域は、麦が青々と育っていて緑一色です。麦秋のあと、田植えになるのですね。
季節が違うと風景も違いますね。
みなさん、どんな生活をされているのでしょうか。
新大阪で観光客らしい人の姿がぐんと減って、車内はビジネスマン一色そして女性のいない風景になりました。
出張で新幹線に乗れるなんて羨ましい限りですがみなさん退屈そうで、仕事モードだと車窓の風景は面白くないかもしれませんね。
再び車窓に集中して伊里川の上流を見逃さないようにしていたのですが、防音壁に阻まれました。残念。
あっという間に岡山に到着し、多くの人が下車して車内は閑散となりました。
*まあ、いろいろなことが起こりますよね*
広島に9時38分に到着しました。
9時45分の岩国行きで11時9分に大畠駅で下車し、11時39分の周防大島へ行くバスに乗る予定でした。
乗り継ぎ時間も短いので、急いで山陽本線岩国行きに乗りました。
3両編成ですが混んでいて、先頭になんとか場所を見つけました。
いよいよ出発するはずでしたが動き出しません。
なんとすぐ隣の横川駅の線路から発煙していて安全確認中のアナウンスがありました。
「線路から発煙」「現在、消防が消火作業中」、どんな状況なのかイメージできないくらい初めてのことで、人身事故でも運転再開に40分ぐらいはかかるので、火災ならもう今日のスケジュールは全て見直しが必要そうです。
この時点で、周防大島の小松開作を見るのは幻の計画になりました。
分母が増えればアクシデントに遭遇する確率も高くなるので、仕方がないですね。
待っている間も次々と乗り込んでくるので、以前のコロナ拡大以前の立錐の余地無しの通勤電車のような状態になりました。
あんがいと早く運転再開になり、10時18分に広島駅を出発しました。
ぎゅうぎゅう詰めですが、運転席のすぐ後ろなので特等席です。車窓の風景を眺めつつ、どのように計画を変更しようか考えていました。
*防府へ行こう!*
山陽新幹線からは宮島がまるで地続きのように見えた大野瀬戸のすぐそばを通りました。
玖波(くば)駅を過ぎたところで、「玖波、川きれい」とメモを残していました。
後で確認すると恵川で、「えがわ」と読むのでしょうか。
「玖」という漢字も読み方がわからず検索したら、「長い時間をかけてできた玉のような黒い石」という意味だそうです。どんな地名の由来があるのでしょうか。
大竹駅のあたりから、以前は水田だったのだろうと思われる海岸線に工場が広がり始めました。
11時9分、岩国駅に到着しました。
お腹が空いたのでまずはご飯を食べてから岩国を歩こうと、列車の中で計画を立て直しました。
海岸の近くで錦川が門前川と今津川に分かれ、三角州のような場所があります。
その西側が中津町で、山陽本線を挟んで東側が三角町で岩国基地がある場所です。以前からこの、川合とは反対に「川が分かれる場所」を歩いてみたいと思っていました。
岩国駅周辺は想像とは違いおしゃれでしたが、開いているのはカフェだけでした。「今はガツンと食べたい。カフェ飯の気分じゃない」と五郎さんになり、このまま今夜泊まる予定だった防府へ行ってまずはお昼ご飯を食べてから街の中を散策しようと、再び計画変更です。
11時44分の下関行きに乗りました。
しばらく山が迫る場所で、広々とした瀬戸内海が目の前に静かに続きます。
海岸線のわずかな土地にも水田がありました。この辺りも白っぽい土のようです。
周防大島が目の前に近づいてきました。このあたりも移民になった人たちが多い地域のようです。
小松開作と日本ハワイ移民資料館を訪ねてみたかったので残念ですが、またいつかの楽しみということで。遠くに、小松開作らしき場所が見えたのでよしとしましょう、
柳井あたりから山あいに入りましたが、意外だったのが地図では山あいですが平地が多かったことでした。この辺りも島と島の間を干拓したのでしょうか。
岩田、島田とすぎて、光市では平地が広がり、大きな工場が続きます。
あらかじめ地図で見ていた「開作」がつく場所も増えてきました。起伏が全くない場所が続きます。
徳山工業地帯は、新幹線からの風景とは違い、山陽本線では工場の敷地に植えられた大きな木の間を通過して、まるで林の中のようでした。
また海岸線ギリギリに走り、小さな湾や溜池、水田が見えました。
海のすぐそばに水田を作るには、どうやって水を確保するのでしょう。
あっという間の瀬戸内海の車窓の風景が終わり、13時23分に防府(ほうふ)駅に到着しました。
駅の北側は新緑の美しい悪石地形の山が迫り、その麓に防府天満宮があります。反対側は干拓地です。
1日目の計画は大きく変更になりましたが、さあこれからどこを歩きましょうか。
改札を出ました。
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