実験のようなもの 14 ICチップの空き領域の社会実験

自分が欲しい身分証明書は現在の運転免許証のようなシステムではないかと思うのですが、なぜマイナンバーカードに抵抗を持つかといえば、「国と私」の関係であるはずなのにさまざまな民間業者が入り込むことへの警戒感でした。

なんでマイナンバーと連動してポイントカードを統一するなんて話が出てくるのか。

あのカードのどこにそれが記録されるのだろう、10年ほど前はその仕組みがまったく想像できずにいました。

 

ところが本当に実現してしまい、それなら同じ国が出す運転免許証とマイナンバーカードは何が違うのだろうと気になっていたのですが、生活に追われてそのままになっていました。

 

 

マイナンバーを使っていないマイナ保険証*

 

そうそう、この10年ほどのマイナンバーカードの流れを振り返ってみようとWikipediaの「マイナンバー」を読み返してみました。

すごいですね、この10年間の時系列に沿った記録がまとめられて、私の疑問に対する説明もありました。

 

マイナンバー(個人番号)は、2015年に住民票のある全ての国民・外国人に付番が完了した12桁の番号そのもので、物理的形態は存在しない。日本国内に住民票を有する全ての住民にはマイナンバーが付されている。これに対してマイナンバーカードは、申請して交付されるプラスチック製のICカードである。本人の氏名、住所、12桁のマイナンバー、顔写真などが印刷されている。

 

マイナンバーとマイナンバーカードとは、しばしば混同されている。マイナンバーの利用範囲は社会保障、税、災害対策に策定され、これ以外に使用することは違法である。

「(マイナンバーを)これ以外に使用することは違法である」、そこまで厳しいものになぜ民間業者が入り込めるのだろうと思ったら、以下の説明がありました。

マイナンバーカードとは、ICチップの中の電子証明書と「空き領域」を活用し、官民の分野を問わず対面でもオンラインでも本人確認手段として幅広く使用されている。

そうか、この「ICチップの中の空き領域」とやらを民間業者が利用できるという意味なのですね。

 

と思いながら読み続けると、驚きました。

本人確認手段としてのマイナンバーカードの利用では、個人番号(マイナンバー)は使用しない

健康保険証機能(いわゆるマイナ保険証)でも個人番号は使用していない

マイナンバーおよびマイナンバーを含む個人情報は「特定個人情報」として厳格に保護されるが、マイナンバーカードの情報(マイナンバーを含まない部分)には特別の保護規定は存在せず、一般の個人情報として保護される。

(以上、強調は引用者による)

 

えっ?

「本人確認手段としてのマイナンバーカード」も「健康保険証機能(いわゆるマイナ保険証)」でも個人番号は使用していないって、どういう意味でしょうか。

医療情報などその他のプライバシー性の高い情報は役所等各機関のデーターサーバー側にあり、ICチップ内には保持していない。チップ内の情報から「本人である」と認証された後にサーバー側のデータが参照可能となる。

だったらやはり「ICチップ付き健康保険証」でよかったのでは

 

 

*ICチップの空き領域*

 

そして「特定保護個人情報として厳格に保護されるべきマイナンバー」が裏面に印刷されていて、民間の業者が利用できる情報がICチップの空き領域に入っているって、それもまた主従反対ですよね。

 

マイナポイントだの、ゴルフ場で使えるだのはなんなのだろうと思ったら、Wikipediaの「マイナンバーカードの利用」に書かれていました。

空き領域の活用

マイナンバーカードには、住民基本台帳ネットワークシステムや公的個人認証などに利用する領域以外に、空き領域として、市町村が住民のために利用できる「地域住民向け領域」や行政機関、都道府県、市町村、民間事業者その他の者が利用できる「拡張利用領域」が確保されている

 

公的個人認証サービス」を読んでも「マイナンバー(個人番号)を使用しておらず、公的個人認証を用いることでマイナンバーが相手企業に伝わることはない」とあり、ではなんのためなのかといえば公的個人認証を用いた場合のみ短時間で手続きが完了する」が理由のよう。

そして民間事業例を見ると、FX口座開設とか、QRコード決済アカウント、ポイントサービス、消費者金融ふるさと納税、地域コミュニティアプリ、マッチングアプリ、ステーブルコイン・・・etc。

ああ最近耳にした「東京アプリ、マイナ本人確認で1万ポイント付与」もこれですか。

国民にはポイントだキャッシュレスだデジタルだと兵糧攻めにして、政治家の皆さんは今も現金の世界ですからね。

 

疑問が解消しました。

つまり「マイナンバーカード」というのは「マイナンバーが印刷されているが、それを使わずにICチップの空き領域で民間企業が使えるカード」ということですね。

じゃあ、マイナンバーなんて必要ないじゃないですか。

「マイナンバーとマイナンバーカードは全く別の事業」という意味がようやくわかりました。

 

 

なんだか、壮大な「ICチップの空き領域の社会実験」としか思えない内容に思えてきました。

だから「マイナ保険証」の納期を守れと経済界が圧力をかけたのかと、腑に落ちました。

そしてマイナンバーカード」を国が強制できない理由は、この空き領域を民間業者に使わせることを拒否する権利を国民に認めなければいけないからですね。

 

 

いずれにしてもそういうことに私は使いたくないので、あくまでも国や行政と私の間でのみ使う「空き領域を民間業者が利用できないタイプのカード」を選択できるのであればマイナンバーカードを作ることにしましょう

 

ああ、すっきりした。

 

 

*おまけ*

 

もう一つよくわからないのがマイナポータルというもの。実際に作っていないからどんなものか知らないのですが、怖い話が書き込まれていました。

マイナンバーカードの有効期限が切れて、現在は使えない状態。(中略)そして更新手続き中はマイナポータルにログインもできないので更新ステータスの確認すらできない。

マイナポータルを登録しましたが、恐ろしいほどに良くも悪くも情報が登録されていることにびっくりしました。

所得、年金、病院歴など確認用では良いですが、このまま進めば資産全てを把握されそうで怖さを感じました。

 

自分の情報なのにマイナンバーを入力する方法では見ることができず、マイナンバーカードを登録しなければならないのですよね。あな恐ろしや。

で、カードでの個人認証はマイナンバーを使ってもいないのに、読み取るための大仰な機械がないと自分だと証明できない主体性を奪われたものになり、自分の情報がどう記録されているかも確認できないという丸裸にされた状態。

 

ほんと、不可解で不思議な制度ですね。皆さん、どうやって理解できているのでしょう。

まだ、今なら引き返せると思うのですけれど。

 

 

 

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