2018-06-01から1ヶ月間の記事一覧

医療介入とは 101 <なぜヒトは臍帯切断が必要か、そしてそのために道具が必要か>

私が30年ほど前に助産師になってから、ずっと答えが見つからないままになっている疑問があります。 「竹、石などを鋭利にしたものがない時代や鋏がない時代には、臍の緒はどうやって処理していたのだろう」と。 今でも臍帯切断は緊張感が蘇るのですが、それ…

思い込みと妄想 39 <ロータスさんの思い込みから始まった?>

畝山千賀子先生の先日の食品安全情報blogの中でロータス・バースの記事があり、以前書いた「ロータス・バース・・・胎盤を残したままにする」という記事にトラックバックをいただきました。 カタカナでロータス・バースと書いたものを読んだだけでは気づかな…

アイリッシュ・ダンスとタップダンス

今年はアイリッシュダンスが来日する年で、チケット発売日には購入して公演の日を楽しみに待っていました。 2014年と2016年についで、3回目です。 なんでこんなに惹かれるのだろうと、自分でも不思議です。 席に着くと、カーテンの向こう側で最後の調整をし…

観察する 53 <複数の相手を同時に観察する>

40年ほど前、看護という仕事の入り口に立った時には、一人の対象(相手)の言動を観察し、プロセスレコードを頭の中に思い描いて対応するだけでも一杯一杯でした。 思えば遠くに来たものです。 役に立つのかと疑問に感じていたプロセスレコードが、積み重な…

観察する 52 <プロセスレコードでは何を観察しているのか>

看護学生の時には、「対象の観察」の対象とは受け持ち患者さんただ一人でした。 それだけでも、実習中の状況を思い出して状況を言語化し、プロセスレコードを書くのは大変でした。 検索していたら、プロセスレコード(見本)が公開されていました。アドレス…

記録のあれこれ 19 <プロセスレコード>

生前の父が声を失ったあたりから、ただただ表情から父の意思を推測するしかなくなりました。 そのためにベッドサイドでじっと父の顔や体の動きを観察して書き留めていたのですが、記録は宇宙の果てへと消えてしまいました。 その数々の観察の中で印象に残っ…

気持ちの問題  51 <高低差がないと落ち着かない>

地図が大好きで、しょっちゅう地図を眺めている割りには記憶することは苦手なので、いまでも都内23区を描けと言われてもちょっと自信がないままです。 特に、千葉や埼玉に隣接しているあたりの地理は、今だに何度見ても覚えられないことに愕然とすることがし…

散歩をする 71 <大場川から三郷放水路へ>

関東平野の地図を見ていると、東西にまっすぐに流れる「川」があります。 ここ1〜2年であちこちと川沿いを歩くようになって、新左近川のようにかつて物流の大事な運河であったこととつながりました。 江戸へ物を運ぶための舟運が発達していたことは知識とし…

運動のあれこれ 17 <スポーツと運動>

前回の体育とスポーツの違いで紹介した野口智博氏のブログに、スポーツにはもともと「遊び」「日常からの逃避」という目的があると書かれていたことにちょっと虚を衝かれた感じです。 体育と運動で書いたように、跳び箱が苦手だったことだけで「私は体育がで…

境界線のあれこれ  83 <「体育」と「スポーツ」の違い>

先日、2020年から「体育の日」が「スポーツの日」に変わるというニュースがありました。 その少し前に私は偶然、野口智博氏の「体育」と「スポーツ」という記事を読んでいたので、ちょっと唐突感のあるそのニュースの背景がつながりました。 日本語と英語で…

トイレについてのあれこれ 6 <和式と洋式トイレ>

数年前、母が一時期お世話になっていた介護施設があった地域は、駅周辺でもまだ汲み取り式トイレがある家がありました。 その近くの道を歩くだけで、子どもの頃には当たり前だった匂いの記憶が蘇るのでした。 その自治体のホームページを見ると、現在でも下…

トイレについてのあれこれ 5 <女性のトイレ滞在時間を増やすもの>

古い街並みの写真を見ていると、無意識に蘇ってくるのが古いトイレの記憶です。 子どもの頃、1960年代の公衆トイレや学校のトイレは今思い返すとセピア色どころか暗黒の記憶といった感じです。 当時はそれが当たり前の風景だったのですが汲み取り式トイレが…

記憶についてのあれこれ 128 <「街の追憶」>

車窓の風景を見ていると、変化がないように見える不思議な感覚に陥ることを書きました。 そんなことを考えていたら、「1960年代〜90年代 小田急沿線アルバム」(牧野和人氏、アルファベータブックス、2016年6月)という出版されたばかりの写真集を書店で見つ…

数字のあれこれ 37 <「1秒間に25mプール1杯分の水を排水」>

五反田川放水路とその水門のことを考えていたら、なんとなく「放水路」でわかったような気分になっていたけれど、放水路の定義を知らないことにちょっと冷やりとしました。 あわててWikipediaの放水路を読みました。 放水路(ほうすいろ)とは、河川からの溢…

記憶についてのあれこれ 127 <変化がないように見える>

五反田川について書いていたら、小田急小田原線の歴史を読む機会になりました。 私が小学校に入った頃、向ケ丘遊園駅にはその名の通り向ケ丘遊園があって、いつだったか花が咲き乱れる遊園地へ行った記憶があります。 今でこそ、あちこちに植物園や公園が整…

食べるということ 26 <食事とサプリメント>

50代に入った頃からか、ちょっと記憶は曖昧なのですが、泳いだ翌日には口内炎ができやすくなったような気がしています。 3000m前後を泳いだあとは、もともと、お腹がすくよりはあまりたくさん食べられなくなる傾向がありました。 水泳というのは結構な全身…

行間を読む 73 <「ドーピングの哲学  タブー視からの脱却」>

ドーピング陽性って何だろう、ドーピングの歴史はどうなのだろうと何か参考になる本がないかと思い、こんな時には書店へGO!の私ですが、すぐに本との偶然の出会いがありました。 「ドーピングの哲学 タブー視からの脱却」 ジャン=ノエル・ミサ氏、パスカル…

散歩をする 70 <五反田川>

多摩川にでき始めていたあの水門はもう完成したのかなと気になっていたのですが、4月ごろはまだ水が流れている様子はありませんでした。 そばで工事の様子を見てみたいと思いつつ列車で通過したのですが、そのあと向ケ丘遊園を過ぎたあたりで、車窓の外に「…

シュールな光景 9 <量の概念>

キスした相手が服用した風邪薬でドーピング陽性になったという話を読んで、一番先に頭に浮かんだのがこちらの記事の「おまけ」に書いた「50mプールを見るとこのプールに何かを1滴垂らした濃度がホメオパシーの希釈と同じという話」でした。 そのコメント欄の…

正しさより正確性を 10 <正しさを書くのは簡単だけれど>

私とニセ科学的なものについてのあれこれの「理想と現実」でも書きましたが、1990年代半ば頃から医療に関しての批判が多くなったと感じました。 当時、医療安全対策とか接遇とか医療現場も大きな変化がありましたから、参考になる批判ももちろんありましたが…

運動のあれこれ 16 <「正義の闘い」は誰のため?>

ドーピングあるいはドーピング問題って何だろうと検索していたら、「リオ五輪でドーピングに目を光らせるスポーツドクターたちの熱い闘い!」(HEALTH PRESS、2016年8月12日)という記事がありました。 その2ページ目にはこんなことが書かれています。 ドー…