シュールな光景 39 「沸とう京」って何?

先日、新宿のマンホールが豪雨で吹っ飛んだニュースがあり、その記者会見をニュースで映していました。

川や水路を訪ね歩くようになって、首都圏の洪水対策や排水のための施設がくまなく整備されていることに圧倒されるのですが、最近のゲリラ豪雨にまた対応を迫られるのですから本当に現場の方々は大変ですね。

 

途中からその説明よりも、都知事の後ろの板が気になってしまいました。赤い字で何か書かれています。「"熱中症から命を守る行動を"」ともう一つ「今年の夏は 沸と」と読めるのですがその続きがよく見えません。別の角度から「う京」が読めて「沸とう京」だとわかりました。

「京」の鍋ぶたの部分に湯気が描かれた、創作文字のようです。

 

命の危険を感じながら生活しているというのに、何だかふざけたキャッチコピーですね。

そうそう、あの災害と認識する暑さと言われた2018年「東京の朝を変えるぜよ」を思い出しました。

あの猛暑に早起きさせて通勤混雑の緩和をさせようというのですから、ほんと都民を食っていますよね。

近年、こうした「イベント的な表現の政策」の多さで何だか煙に巻かれている感じが多いですね。

 

コロナの「おかげ」で通勤の激烈な混みかたが緩和したのは一時的で、2023年3月以来、大きな荷物を持って通勤の流れが変わった新たな混雑の問題がある上に、この猛暑続きです。

もう生きて通勤しているだけで奇跡的だと思っています。

 

 

*「沸とう京」(鍋ぶたに湯気)は何の意味があるのだろう*

 

「沸とう京(鍋ぶたに湯気)」は何のメッセージなのでしょう。

 

検索してみたら7月12日に「今年の夏は沸とう京 熱中症対策呼びかけ強化」とありました。

お近くの涼み処を探すため、防災マップにクーリングシェルターを掲載

熱中症による死亡者が増加傾向であることや今後も例年以上の猛暑が継続すると見込まれる等を背景に、気候変動適応法が改正され、暑さをしのぐために解放される冷房設備が整った施設を「クーリングシェルター」として区市町村が指定しています。また東京都では、省エネも目的として環境を共有する涼み処として「クールシェアスポット」を令和5年の夏より、広く紹介しています。

 

それ以外に「冷たい東京水が飲めるTokyowater Drinking Station」とか「エアコンを『迷わず』利用する呼びかけ」とか救急車の適切な利用の呼びかけといったものでした。

 

昨年も東京の8月は全て真夏日だったのですが、今年はほぼ2ヶ月間が真夏日猛暑日です。

救急車適正な利用は本当に大事ですね。1日に何度もサイレンの音を聞くようになりました。

 

熱中症にかからないための呼びかけも大事ですが、それ以外にもリチウム電池や車の火災や窓ガラスにヒビが入るとか今まで想定したことがない猛暑による事故や故障が起こっているので、ガスや電気の設備は大丈夫だろうかと不安がありますが、なかなかまとまった情報がありませんね。

 

あるいは昼も夜も社会を守るために働いている人たちがいますが、どのような健康への影響があるのでしょう。

集中しているつもりでも、思わぬ事故につながりそうですし。

 

都のインフラを守るために外で働いてくださっている人たちはどのように守られているのでしょう。

同じ労働時間や休日の設定で良いのでしょうか。

猛暑の中での労働から身を守るための対応策を都が先駆け的に示してくれれば、他の業種や他地域へも改善のきっかけになるのではないかと思うのですが。

 

 

ポイント還元とかマッチングアプリとか、何だか公と民の境界線が曖昧なままたくさんのお金が使われているのですけれどね。

こうした住民の生活を脅かす潜在的な問題への対策を立てるのが、「公」の仕事だと思っていました。

 

あの衝立板はインタビューボードと呼ぶことを初めて知りました。

 

ここ十数年ほどでよく見かけるようになったけれど、政治家の後ろにあると違和感を感じるのは「目をひく」からかもしれませんね。

「涼み処」とか「沸とう京」とか、どこかのPR会社が作っているかのようなキャッチコピー的なものは言葉遊びであって政策とはいえないですからね。

 

来年もこの暑さだったら、生活する上で何をどうしたら良いのでしょう。

この猛暑が具体的にどのように生活に影響を与えているのか、全体像が見えないですね。

 

 

*おまけ*

 

なぜ7月12日に出されていた「沸とう京」をようやく夏が終わることに知ったのか、それを検索してわかりました。

東京都防災ホームページをこまめに見る以外は、X、Instagramfacebook、Lineなどに限られているようです。

 

SNSを見なくなって平和な生活になったのですが、非常時の情報を公的機関がこうしたものに依存している状況は、どうなのでしょうね。

 

 

 

 

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