10時14分の三島行きに乗り、富士岡駅から一駅の岩波駅で下車しました。
駅から南へ歩くと、2022年2月中旬に訪ねた「一級河川 深良川」があります。
真っ青な秋空に真っ青な水面、相変わらず美しい流れです。
前回はここから黄瀬川の方へと歩きましたが、今回はいよいよ深良用水沿いに田んぼを歩きます。
10月中旬、まだこれから稲刈りの田んぼも多く、稲穂が黄金色に輝く美しい風景でした。
なんと有り難い風景でしょう。
そしてその向こうに、ここもまた遮るもののない雄大な富士山の姿があります。
美しい水田です。
ここに深良用水が流れ、所々で分水されながら広大な水田地帯を作り出しています。
東側の箱根の山の上にある芦ノ湖から水をひき、527ヘクタールもの田んぼを潤す水路と水門が張り巡らされているそうですが、実際に歩いてみると芦ノ湖の水がなくなってしまうのではないかと心配になる広さです。
そして田んぼに水を張る必要のないこの季節でも、あちこちの水路に滔々と流れる音が聞こえてきます。
富士山の裾野の緩やかな下り坂をのんびりと歩きました。
「深良地区美しい水と緑保全の会」の立て看板が立っています。
江戸時代からの水路が守られてきた地域の矜持を感じますね。
家が途切れてまた黄金色の稲穂が広がり、その向こうに立錐形の富士山です。
八合目あたりにポツリと雲がかかり、それもまた美しいものです。
大変な農作業の合間にも、こうして富士山や箱根の山々に励まされてきたのでしょうか。
しばらく歩いて、また振り返ると雲ひとつない富士山になっていました。
秋の草の香りと稲の香りと、真っ青な秋空と。
そしてあちこちから聞こえる水の音、疲れを忘れる風景が続きます。
稲刈り中の田んぼを過ぎ、御殿場線の踏切を渡って住宅や商店の並ぶ道を歩くとぐいっと下り坂になってその先に、黄瀬川の支流があるようです。
途中、蛇の抜け殻がありました。
その川の手前に深良地区郷土資料室がありましたが、残念ながら休館日でした。
川の手前に深良小学校があり、その周囲の壁に大きく「祝 深良用水 通水350年」とペンキで書かれていました。
小学生の頃に習った深良用水の記憶がなぜか残っていてその地を訪ねようと思いついたのですが、半世紀以上たって小学生がこうして深良用水を学び記憶に残していくのですね。
小さいながらも深い場所を流れている黄瀬川の支流をわたり、また深良用水の潤す田んぼを歩きます。
途中、字がかすれて読めない何か供養塔と道祖神などが並ぶ場所があり、そばに分水路がありました。
西へと分かれる水門の上に「日本疏水百選 深良用水 切久保払い堰」とあります。
住宅地をゆったりと流れてきた深良用水の分水路からさらに分かれていく場所のようで、上にかかる橋の名前は「垢取橋」「こりとり橋」だそうです。
「橋」と「垢」、不思議な組み合わせの名前ですね。「水中の不純物など」の意味もあるようですが、名前の由来は何なのでしょう。
ごみひとつない深良用水の浅い水路には、水草が漂い、白い小さな水草の花が咲いていました。
稲穂を見ていたらお腹が空きました。
マップをみると近くにお店がありそうです。深良用水から離れて、もう一度御殿場線を渡ってから南へと田んぼ沿いに歩きました。
残念ながらお休みでした。
2年半前に帰宅してから気づいた深良用水特別展示へ向かうことにしましょう。
西へと戻ると、少し嵩上げした田んぼの稲穂の向こうにまた富士山が大きく見えました。
芦ノ湖の水がこの美しい田んぼの風景を作り出していることに、なんだかふわふわと眩暈がしながら裾野市民文化センターへと向いました。
「米のあれこれ」まとめはこちら。
深良用水のまとめはこちら。