2019年に米沢に宿泊した時には主に米沢城のあたりを歩きました。帰宅してから米沢について検索していたら、「米沢観光Navi」の説明に「ヨネ(米)のなるサワ(葦の生える湿地)」という説があることを目にして、「米」がつく地名だというのに肝心の水田地帯を見ていなかったことがとても心残りでした。
それで新潟の潟を訪ねるのに、大回りをして米沢経由で行くことにしました。
どんな水田地帯が広がっているのでしょうか。
*山形新幹線で米沢へ*
6月中旬、5時に家を出ました。すでに21度、湿度77%で蒸し暑い朝でしたが、お天気には恵まれそうです。
東京駅に向かう新宿駅で、前夜から飲み明かしたのでしょうか、ホームに座り込んだり大きな声で話したりしている人たちがあちこちにいました。
「もうマスクなんて必要ないのでは」「日本は遅れている」という雰囲気で、厚生労働大臣が「マスク着用など感染対策緩和は現時点では現実的ではない」(2022年6月14日)と注意喚起していた時期でしたね。
5時31分に東京駅に向かう中央線も混雑していました。
6時12分発のつばさ121号に乗りましたが、前に座る二人がケンカし始めて一人が大宮で下車しました。やれやれ。また車窓の風景に集中です。
関東は田植え後1ヶ月半ぐらいで、稲が青々と育っています。晴れた空と水田と川と、本当に美しい風景です。
見慣れてきた東北新幹線沿線の風景ですが、見るたびに新たに小さな川や水路が目に入るようになり、そこからまた私の頭の中の地図がより詳細になっていく楽しさがあります。
関東平野の水田地帯が終わり、山あいを通過すると今度は阿武隈川の流れと水田地帯です。一世紀前は川がそばにあっても農業に適さなかった地にも青々と稲が育ち、落ち着いた街並みが美しく広がっています。
棚田の向こうに磐梯山がうっすらと見え、残雪の残る吾妻山が見えました。
今回こうして山の名前がわかるのも、iPhoneの地図が重層的になったおかげです。
7時43分、美しい福島に到着し山形新幹線が切り離され、荒川と松川の間を通過し山の中へと入りました。梨でしょうか、沿線に果樹園がありました。
車窓の向こうに森が続いてちょっと眠くなりましたが、小さな沢の始まりと羽黒川の始まりのあたりはしっかりと見届けました。あと6分で米沢駅に到着というところで、8時14分、山の中で列車が緊急停車しました。
熊や鹿に衝突したのかと思ったら、何と「線路内人立ち入りのため安全確認中」ということでした。
インターネットもつながりにくい場所で、奥羽本線の大沢駅と関根駅の間のようです。
在来線を利用しているので、こんなこともあるのですね。
じきに運転再開だろうと思っていましたが、8時35分にようやく動き出し、そしてまた8時41分に関根駅で停止信号で停車。普通列車との行き違いでつばさの方が待機していたようです。
「あくまで在来線であって新幹線ではない」区間があるのがミニ新幹線というのはこういう意味ですね。
8時47分にまた動き出して、予定より33分遅れて8時53分に米沢駅に到着しました。
計画では、10時29分の米坂線に乗るまでの2時間ほどを米沢の水田地帯を歩く予定でしたが、大幅に変更となりそうです。
懐かしい米沢駅に降りると、ホームでさくらんぼを販売していました。
ついつい買いたくなりましたが、まだ散歩が始まったばかりですから涙をのんで改札を出ました。
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