最近のニュースはタイトルを見ただけでは意味がわかりにくいものが増えましたが、アリとキリギリスの構造をヒントにすると理解しやすいこともあります。
「ふるさと住民」制度創設へ 10年で1千万人登録
(KYODO、2025年6月3日)
政府は3日、地方創生に関する有識者会議を首相官邸で開き、今後10年の指針となる基本構想案を示した。仕事や趣味などで継続的に居住地以外の地域に関わる「関係人口」を増やすため、自治体がこうした人を「ふるさと住民」として登録する制度を創設、10年で1千万人を目指す。東京圏から地方へ転入する若者の比率を倍増させ、人口の偏在解消を進める。
与党と調整し、今月中旬にも決定。実行に向けた戦略を25年中に策定する。
石破茂首相は会議で「若者、女性に選ばれる地方の実現へ意識改革を着実にしていくことに加え、農林水産業のスマート化や中小企業の生産性向上など『稼げる地方』をつくる」と強調した。
構想案は「人口規模が縮小しても経済成長し、社会を機能させる適応策を講じる」と強調。「10年後に目指す姿」として数値目標を設定した。
ふるさと住民は、観光のリピーターやふるさと納税の納付者らがスマートフォンアプリを通じて申請、自治体が登録証を発行する仕組みを想定している。
現実の人口が増えないからデジタルで架空の頭数を増やそうというのでしょうか。
だいたい人口が減っている地域は電波が届きにくく住宅地でも圏外になってGPSも使えないし、デジタルのマップでも詳細をはしょられるし、「私を証明する」ようなアプリは普段から突然消えたりするし、まずはインフラの整備だと思いますが。
こういうニュースにはからなず発案者と決済者の名前を明示し、議事録も公開することを義務付けてほしいものです。
政治の失敗に対してはきちんと責任を取れるように。
なぜ東京一極集中になったのか、さまざまな現実の声があがっても20年30年と政府は変わらず、反面、10年前の「外国人労働者を入れて農業を再生したい」という方向などはサクサクと実現していますね。
「人口減少」をいつまでも口実のようにしながら。
「ふるさと住民」、増税対象を増やすという変化球でしょうか。
似た名称の「ふるさと納税」と大企業の関係を考えると、「膨らみ続ける社会保障費は聖域とせず見直す」という思想が先にあり、利潤にできるようなものを搾り取ることには長けている、それが「骨太」の姿なのだとまた見えてきました。
そして1億総株主化なんて進められる世の中ですがうまい話はないですからね。
きっと自治体の現場は、現実の人口と架空の人口のはざまで右往左往させられることでしょう。
ほんと、シュールな世の中ですね。
*おまけ*
こういう政策を思いつく人ってきっと「自分は奴隷側にはならない。優秀だし能力があるから」「自分にはアリの生活はふさわしくない」という根拠のない自信に満ちているのかなと妄想しています。
そしていったん政治家になったら自分を大きく見せて国民を見下し、その特権を絶対に手放さないことが目的で、その責任には無頓着。
だから自己啓発は怖いのだと、彼の国の政治家を見ていても思いますね。
アリの世界から見るとあの国の失敗に学んで引き返すなら今だと思うのですけれど、半世紀ほどで広がってしまった自己啓発に染まったキリギリスさんの耳にははなかなか届かないでしょうか。
それとも古代から似たような流れを繰り返してきたので、寓話ができたのでしょうか。
*おまけのおまけ*
この下書きは1週間以上前に書いておいたものですが、昨日、たまたまつけた国会中継で、選挙前のばらまきを指摘された首相が「侮辱するな」と怒っていました。痛いところをつかれたのでしょう。
世の中に公開するブログですから一応言葉遣いには気をつけて、感情的にならない内容にと思っていますが、くだらない政策や観測気球ばかりを打ち上げのらりくらり取りすぎた消費税問題を避けるのは、さすがに「国民を馬鹿にするな」「ふざけるな」と思いました。
気持ち悪い政治家の世界ですね。
そうそう、禊の7億円なんていう気持ち悪い話もありました。
「シュールな世界」まとめはこちら。
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あの日(2022年7月8日)から考えたことのまとめはこちら。
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