昨日の「家庭ゴミを減らす」よりごみを出す人口を減らした方がは、12月24日のニュースのあとすぐに思いついて下書きを書いたのですが、さらに12月27日に「小池都知事がFNN単独インタービューで”家庭ゴミ有料化の必要性”を強調「区民に行動変容を促していきたい」」というニュースが流れ、一晩であっという間に数千のコメントがついていました。
またどうせ「23区は遅れている」という雰囲気なのだろうと、心がざわざわするのでコメントを読むのはやめました。
むしろ1980年代からゴミ袋の有料化や分別を全国に先駆けて始め、その後、焼却炉の改良によってゴミ袋有料化を廃止した経緯を伝えないまま、批判のために煽っているような記事ばかりですね。
ゴミ行政を一緒に考えて試行錯誤して、生活習慣をあれこれ変えようと努力した区民も多いからこそきれいな街を維持してきたのではないですか。
心が折れますよね。
何よりカチンときたのが「区民に対して行動変容を促していきたい」という失礼な言葉ですね。
都民の生活の何を知っているのだろう。
鵺のような社会の雰囲気に合わせて行動変容している政治家に言われたくないですね。
こうして住民同士の気持ちの対立を生み出すような手法で進める政策というのは、やはりその決定のプロセスに無理があるのではないかと、最近はたくさん学んでいますからね。
*批判が多かったのかもしれない*
もしかしたら観測気球のつもりで出した12月24日のニュースへの批判が多かったので、もう一度釈明せざるを得なくなったのではないかと思えてきました。
その12月27日のニュースの全文がこちら。
東京都の小池都知事は、FNNの単独インタビューに応じ、23区での家庭ゴミ有料化の実施に向けて「区民に行動変容を促していきたい」と述べました。
人口が減ると、ゴミも減るだろうと言われるんですが、それは逆ですね。むしろ、一人一人でこう一人住まいが増えると、ゴミの量は増えると言われているんですね。そういったことを逆算もしまして、いかにして排出ゴミの捻出を抑制していくか、そのうちの一つが有料化ということもあるかと思います。
小池都知事は、FNNの単独インタビューで、ゴミの排出量を抑制するため、都内で家庭ゴミの有料化が必要になるとの考え方を示しました。
そのうえで、都内で家庭ゴミ有料化を先行実施している多摩地域で排出量が減少したことを踏まえ、23区での実施を視野に区民に対して行動変容を促していきたいと述べました。
多摩の方はすでに有料化されておりまして、ゴミの少なさでいうと全国でトップでもうすでにそういうふうになっています。都民の皆さんに、特に区部の皆さんには、行動変容を促していきたいと思っています。
東京都がごみを捨てられる最終処分場の容量が50年から60年後には限界に達すると見られる。
(強調は引用者による)
おそらく「人口を減らせば良いのでは」という批判や、23区と多摩地区の焼却場の違いなど経緯を踏まえたもっともな批判があったのでしょう。
人口が減るとむしろゴミの量が増える話なんて、明らかに詭弁ですよね。しかも「一人住まいが増えると」なんて、別の話。
出産数が増えたら、乳幼児の排出する紙おむつの量なんてすごいですからね。
*23区はすでに区民の「行動変容」でゴミの量が減っているらしい*
さて、12月28日に「<1分で解説>都心のカラス 生ゴミ対策奏功?25年前の2割に」(毎日新聞)というニュースがありました。
たしかに14年前に比べるとカラスを見かけなくなりました。当時は賢いカラスと人間の生活習慣との攻防戦が繰り広げられていました。ゴミの捨て方が変わったのもあの攻防戦が理由の一つですね。
その記事の中にこう書かれていました。
Q ゴミの量も減ったの?
A 東京23区のごみの量は、01年度の352万トンから24年度は245万トンにまで減りました。バブル経済崩壊後の景気低迷や、ごみの有料化が影響しています。
この「ごみの有料化」は家庭ゴミではなく、1996年に始まった事業所系ゴミ有料化ですね。
23区はさまざまな商業施設やら事業系の建物も多いですからね。
*「長い歳月による啓発・教育を続け、住民の意識や習慣の形成に努めてきた」結果*
そして「東京モデル」(東京二十三区清掃一部事務組合)という資料を読むと、「(ごみの)資源化と焼却による減量効果により、埋め立て処分量は1989年時から85%減少」とあります。
23区には住宅地のど真ん中に清掃工場があって、高温で焼却してゴミ処理の大半を完結し、さらにエネルギーも供給しているからこそ清掃工場が区民の憩いの場にもなっています。
それが東京都下との大きな違いですね。
中心市街地における安全で安定的な処理
焼却処理は、人口・経済活動とともに極めて集中し、最終処分場に限界がある東京23区において迅速にごみを処理し公衆衛生を保つ最適かつ効率的な方法である。
東京ごみ戦争を住民参加で解決してきたという歴史がありますからね。
私が泳ぐプールもこの清掃工場の余熱を利用しているので、いつもごみ処理の歴史を思い出しています。
清掃組合の皆さんをはじめとした長い歳月の啓蒙活動のおかげですね。
*なんだか嫌な予感しかしないニュースだった*
まるで都のお金を自分の財布のように気前よく使い、どこで誰が決めたのかわからないような「無痛分娩への補助」なんて現場のニーズでないことをいきなり実施して現場を疲弊させている、そんな人に「行動変容」なんて言われたくないですね。
この「東京二十三区清掃一部事務組合」の「東京モデル」と「清掃事業の歴史 東京ごみ処理の変遷」という資料が公開されています。
まさに住民の手によるごみ問題の自治が築かれてきたのだと思う内容です。
あ、もしかして、こういう長い時間と努力の末にできあがった組織や自治の仕組みを横取りして儲けようと虎視眈々と狙っている人たちがいるのでは。
行政の改革とかいいながら、住民同士を敵対させて社会が築いてきたものを壊すような方向で何でも投機の機会にしたい人たちが。
「協同組合」とか「組合」が嫌いな人たちがいますからね。
ほんと、政治家というのはシュールな存在になったここ半世紀ですね。
そろそろ反動の時代に入るでしょうか。
*おまけ*
唯一、現知事の良かった点は、あの新型コロナ感染流行の最盛期の対応でしたね。
未曾有の事態に首長自身の判断を優先して混乱している地域もあったことを思うと、東京都の感染委員会の判断に沿って対応していたことは安心できました。
どんな「専門家」が政策決定に参加するか、はほんと大事ですね。
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