米のあれこれ 138 東海道新幹線から見える田んぼの風景

6月下旬の週末、ただひたすら田植えの頃の周濠と古墳と溜池と環濠集落を訪ねるために家を5時に出ました。

すでに24度、日中どこまで歩けるでしょうか。

 

いつもは6時ちょうど発ののぞみに乗るのですが、今回は6時28分のひかりにしてみました。

停車駅が多い分長く新幹線に乗っていられるし、今回は乗り継ぎ時間に追われることのないのんびりのスケジュールです。

そして週末ののぞみは満席に近いと予想できたので、少しでも乗客が少なそうな方を選んでみました。

正解で、新横浜でもそれほど乗車せず、京都まで隣りは空席のままでした。

 

*6月下旬の田んぼの風景のいろいろ*

 

さあ、ときどきメモをしながら車窓の風景に集中です。

水鏡の季節から田植えが終わった風景でしょうか。

 

高座(こうざ)渋谷は田植え直後、相模川右岸も田植え直後

美しい!田んぼのそばの散歩うらやましい

 

酒匂堰を過ぎて酒匂川を渡る小田原駅に到着。ひかりは3分間停車し、また車窓の風景に集中です。

小田原城の先の小さなトンネルを出ると小田原用水の護り神、居神神社のそばを通過し、早川を渡るあたりから美しい相模湾が見えます。この時間帯は深い青色でした。

 

トンネルの多い区間から熱海を過ぎ、丹那トンネルの上の水田は田植えが終わっているのだろうかと考えていると、あっという間にトンネルから出て大好きな風景が広がりました。

函南かんなみ)、三島は田植え後1週間ぐらいか

長い水路や池をつくり、太陽で温めてきた歴史を思い出しました。

5月に田植えするのと6月に田植えするのでは、水の温度管理もコツが違うのでしょうか。

 

万民に米食の福田を与え恵給う神の祀られている富士市の田んぼも田植え直後の美しい風景です。

「日本人はお米を食べたいと思い続けてきた」願いがようやくかなったこの半世紀、どうか投機的なことに翻弄されませんように、無事に収穫を迎えられますようにと祈りながら富士川を超えました。

 

大井川や天竜川の治水や用水路の歴史を重ねながら、田おこしや田植えが終わった田んぼが混在する風景を眺めているとあっという間に豊橋を過ぎ、矢作川左岸はまだ田おこしが終わった段階の風景でした。

三河安城あたりではまだ麦秋の残るところと田植えが終わったところとさまざまです。どうやって地域でそのスケジュールを調整するのでしょう。

明治初期に造られた明治用水がこの台地を変えた歴史を思い出していると、名古屋駅に到着しました。

 

名古屋を出てじきに庄内川を渡ると、そこから木曽三川の幻想的な田園風景に目が離せなくなります。

庄内川右岸の街並み。稲沢市美しい。五重塔が見える。

2024年1月に木曽川の建設中の橋がつながっていたのですが、今回は自動車が往来している風景になりました。

岐阜羽島で6分の停車だったので、懐かしい街や駅の風景とその歴史を思いながら地図を眺めていたら、木曽川にまだ渡船が残っていることに気づきました。

昨年秋に収穫の終わった頃の木曽三川地域を歩いたので今度は田植えの頃も歩いてみたい、この渡船にも乗ってみたいと計画ができてしまいました。困りましたね。

 

揖斐川支流の相川のそばにたくさんの人が集まっているのが見えました。何をされているのでしょう。

池、睡蓮。田んぼで作業の姿ちらほら。

木曽三川の美しい古い家並みと川のそばでの生活、知らないことばかりです。今度はこの垂井町の田んぼも歩いてみたいものです。

 

関ヶ原を過ぎ、滋賀県に入ってすぐのJR東海道線柏原(かしわばら)駅周辺の田園風景もいつも見入ってしまいます。

米原駅で5分停車、ここからの田んぼは麦の収穫直後で田おこしもこれからのようです。

琵琶湖の流入河川と用水路と美しい田んぼを歩く計画も残っています。困りましたね。

琵琶湖からの唯一の流出河川である瀬田川を渡ると、新幹線は高台を走りトンネルに入りました。京都駅直前に通過する琵琶湖疏水も6月は滔々と水が流れています。

 

9時6分に京都駅に無事到着し、2時間38分の車窓の散歩が終わりました。

 

 

*夢だった時代を手に入れて傲慢になった社会を省みる時*

 

数年前まではただ「美しい田園風景」だったのが、沿線の川や用水路や田んぼを歩くようになってからは、農業や治水・利水の土木技術や災害を乗り越えたそれぞれの地域の歴史が重ってきました。

水争いするすことなく、そして過不足なく田んぼに水を行き渡らせるなんてほんとうにすごいことですね。

 

さらに同じ季節でも国内それぞれの地域の条件や違いを乗り越えて安定したお米や野菜が過不足なく供給がされるという夢のような世界が、車窓の風景の向こうに重なるようになりました。

 

農は 人類生存の基をなす営みである、夢のような世界が実現すると当たり前と感じてしまうようになった時代を省みる時期に入ったのかもしれませんね。

 

 

 

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