散歩の記録と記録の整理に書いたように、散歩中はかなりの量のメモを残しています。今回の3日目はさすがに疲れて数行で終わった場所もありましたが、いつもはだいたい1日分はA4に3~4枚になるぐらい、思いついたことを次々と書き留めて写真を合わせながら記憶をたどっています。
4ヶ月遅れのブログになると記録したことを読んでも「何のことだったっけ」ということも増えるのですが、やはり記録しておくと記憶に残ります。
そして「そうだった、4ヶ月前の世の中の雰囲気や話題はこんなことだった」と思い返しています。
そのメモの大半がブログ本文に書き残されずに終わるのですが、今回の4月中旬の散歩では「なんだかシュール」と感じたことがいくつかあって、そのままメモを廃棄するのは惜しいような気がしてきました。
ということで、散歩のメモの記録の番外編です。
*「新しい生活」はなかなか定着しないもの*
ニュースを見ていると腑に落ちなくてメモをしていることがあります。
高校の学園祭か何かのニュースの映像で直ばしで食べ物を取りあっている映像があり、その次のニュースではお茶会の話題で「昨年までは個別だったが、今年は大きな茶碗で回し飲み」という話が流れてきて「あ〜」となりました。
また、人が少ない時間帯に入った食堂では、後から来た数人の女性客がすぐそばで大きな声でおしゃべりし始めました。あ〜あ。
大皿からみんなで直ばしで食べ合うとか、換気の悪い場所での大きな声での会話や歯磨きとか、これからはそうした行動が少なくなるかとほんの4年前は期待していたのですが、すっかり元に戻っちゃいましたね。
なかなかこちらからは面と向かって「それはやめて」といいづらかったことがこのコロナによって「その理由」がもう少し社会に浸透し、感染症対策だけでなく社会の配慮になっていくかと思っていたのですけれど。
まあこれも、未曾有の事態を受け止める難しさ故の反動のひとつでしょうか。
*「イワシの頭も」ぐらいだったものが*
旅先ではふだん見ることがない番組を見る機会になるのも面白いものです。
ふとテレビをつけたら、ビートたけしさんが若い頃の映画を放送していました。80年代の日本はまだどこもあんなに田んぼが広がっていたのかと思う風景に引き込まれて見始めたのですが、それが「病気を治すエセ宗教家」の話でした。
病気を治すはずの宗教家ですが、途中車がエンストしているのを手で押している場面があって、車の故障には奇跡は起きないのだろうなと思いながら「エンスト、手で押す」とメモしていました。
で、別のチャンネルでも偶然「新興宗教の宣教師にのめり込む青年の物語」の映画をしていたことをメモしていました。
80年代は「効果があること」とこうした「怪しさ」が整理され始めた時代だったと言えるかもしれませんね。
ところがその後自己万能感が強い人が増えたのか、反対に人生への不安をあおり何かにすがりたくなる気持ちを商売にすることが増えて、かつては胡散臭いと思っていたものが実経済や政治を回すようになったのですからシュールですね。
*立錐の余地なしの京都駅*
インバウンドの復活で京都駅の混雑ぶりにびびったのでできるだけ京都駅での乗り換えを避けているのですが、今回は4月中旬で日本の社会は新年度が始まったばかりですから大丈夫だろうと予想していました。
ところが奈良駅から京都行きのJR線はすでに海外からの観光客でいっぱいで、体格の大きな人にギュッとはさまれながらロングシートに座ることになりました。名残惜しい奈良の車窓の風景はあきらめ、下を向いて瞑想の時間になりました。
もう少しで京都駅というところで、伏見稲荷を訪ねた海外からの旅行客がわれ先にと席を目指して乗り込んできました。すでに車内に空席はなかったのですけれどね。
さすがに京都駅は広いからとやれやれと下車すると、これまた構内がすごい混雑です。
さらに新幹線乗り場は、売店のある階もホーム階もぎっしりと人がいて、京都に到着した人と新幹線に乗る人が2~3分ごとに大移動しているのにもかかわらず、隅に立って待つスペースさえもほとんどない感じで通路の真ん中で立って待っています。
周囲からたまに日本語が聞こえてくるとちょっとホッとしながら、まさか京都駅で私はいったいどこにいるのだろうという気分になるとはシュールですね。
新幹線は観光だけでなく生活上のさまざまな必要があって利用されているのに、誰が何のためにこんな状況にしたのでしょう。
通常なら閑散期のはずなのですけれどね。
結局1時間ぐらい駅構内で立ったまま予定の新幹線を待ち、やれやれと大混雑の車内に乗り込んで車窓に集中しました。
今年も黄砂の季節で、関西では空が霞んでいましたが、相模湾のあたりからにようやく空が青くなりました。
黄砂の季節には新幹線の車体も薄黄色になるのがシュールですね。
あれを落とすのは大変そうと思いながら、今回の散歩が終わったのでした。
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