2016-01-01から1年間の記事一覧
物事が前に進むためには勢いが必要なこともありますが、「産後うつ予防、健診2回分助成 来年度から」というニュースは、分娩施設に勤務する私には寝耳に水でした。 そして、本当にそれが解決になるのだろうかという疑問と、半年からは産後健診を2回にするこ…
液状乳児用ミルクが日本でも実現するというニュースには、その唐突さに驚きました。 もちろん、阪神大震災後からさまざまな方が液状乳児用ミルクを日本でも使えるように働きかけてくださったことがようやく結果になったのだと思います。 でも、都知事の一声…
マンボウを観たあとは、ペンギンのところでまた小一時間を過ごします。 葛西水族園の年間パスポートを購入したので、今年に入ってもう数回目。 夏の間は、オウサマペンギンとイワトビペンギンはバックヤードの冷房室に入ってしまうので、しばらくのあいだは…
私の分娩記録ノートを読み返すと、おおよそ分娩介助経験300例あたりから、その記録内容にまた変化があります。 その変化とは、自分なりの仮説が書き込まれるようになったことです。 たとえば、「こういうお産のパーターンには、Aという状況が関係しているの…
水族館の人気のある展示は、平日に行ってもかなりの人がいます。 私は、あまり人が振り向いていかない水槽でひっそりと生きている魚などを見るのが好きです。 そして、こういう地味な種をずっと観察し続けて来た人たちはどんな人たちなのだろうと気になって…
マンボウがどういう魚なのか、すぐにその姿を思い浮かべることができるほど、身近な魚になったのは日本ではまだそう遠くない話ではないかと思います。 マンボウでまず思い浮かぶのは、どくとるマンボウこと北杜夫氏です。 といっても、本が大好きだった私が…
何十年ぶりに水族館へ行ってから、水族館のおもしろさにはまっています。 葛西水族園に入ると、まずシュモクザメやエイ、アジやイワシが泳いでいる大きな水槽があります。 その水槽だけでも、魚の美しさに惹かれて1時間でも2時間でも過ごせそうなほど好きな…
ドラマや映画で、眠りに落ちそうになる産婦さんの頬をピシャピシャ叩いて、「寝ちゃダメ、赤ちゃんが死んじゃうから。頑張って!」と励ますシーンがどこからともなく記憶に残っています。 助産師になったばかりの頃は、分娩室に移っていきみ始めるぐらいの段…
「子どもから見たお産と産後の母子の関わりについて〜バースハピネスから考える〜」の「3. オキシトシンのお話(オキシトシンと母体の関係性)」があります。 2000年代に入って、オキシトシンの名前をよく耳にするようになりました。助産師の中でも話題にす…
「記録の大事さ」として思い出す話があります。旧約聖書のエステル記です。 Wikipediaの「概略」には以下のように書かれています。 ユダヤ人モルデカイの養女エステルは、ペルシャ王クセルクセスの后に選ばれる。そのころ、権力者ハマンはモルデカイに対する…
「数は数えなくても記録は残せ」の中でも書きましたが、分娩介助100例を過ぎたあたりから分娩記録ノートをつけ始めました。 押し入れの中からその十数冊を引っ張り出して来て、初めから少しずつ読み始めました。 まず、やはり人間の記憶というのはあいまいだ…
「バースハピネス」の記事で紹介した講演の内容で、赤線で強調した部分からは、自然なお産とかBFH(赤ちゃんに優しい病院)やカンガルーケアといったWHO/UNICEFが後押ししてきた母乳育児推進の流れの影響も強い印象ですが、それにバーストラウマや胎内記憶と…
前回の記事で紹介した講演内容の中で、「子ども達の行動や情緒面で問題が非常に少なく、しかも社会的能力が高い子ども達はどうして育つか」とフィンランドのことが書かれていました。 フィンランドといえば、ここ2〜3年の間に「ネウボラ」という言葉とともに…
私は一人で黙々と泳いだり、一人でビール片手に海を眺めるのが目下、「しあわせ〜」と感じていますが、友人には「え〜、さびしい〜」と言われてしまいます。 そう、幸せなんて、人の数だけあるもの。 「こうすれば幸せになる」と価値観や思想を共有しようと…
9月に入るとボチボチと白菜が出回り、暑さに疲れた胃がなんだか喜ぶかのように、白菜を食べたくなってきます。 白菜で好きな料理の筆頭はなんと言っても白菜と肉団子のスープですが、もう少し気温が下がらないと作る気になれません。 9月から10月頃までの白…
私のブログへの検索ワードに「バースハピネス」という言葉がありました。 「幸せなお産」とは違うのかな、なんであえて英語に言い替えるのだろう、定義は何だろうとちょっと興味をひかれました。 本当にお産の界隈はいろいろな言葉が生まれては消えていきま…
「自然なお産運動」の終焉を書きながら、その行間に書き足りなかったことをつらつらと考えています。 医療の急激な変化に伴って、なかなかそれを受け入れ難い面はあると思います。 たとえば、もし私が今、癌の治療を受けなければいけなくなったら、10年前の…
「らばQ」というサイトで「アメリカの医療崩壊に絶望した・・・『わが子を抱く』だけで請求された」海外の反応という記事がありました。 アメリカの医療崩壊や高額の請求書については何度も取り上げてきましたが、出産のときにも信じられない請求を受けるよ…
最近の父との面会は、無事にホールへ車いすで行くことができて、コーヒーを一緒に飲み、お菓子を食べることができる平和な時間が続いています。 気分にはムラがあるので、眠くてほとんどしゃべらない日もありますし、妹だと思い出して話が進む時もあれば、最…
この年になって、子どもの頃に親から言われたことで「なるほど、こう活かされるのか」と感謝していることがあります。 それは小さい頃から、「人をジロジロ見てはいけません」といういたってシンプルなルール。 子どもというのは好奇心旺盛ですから、何か気…
恥ずかしさについての人生最初の記憶と言える場面があります。 ただ、その「恥ずかしさ」とは、たとえばWikipediaに書かれている説明のような「『恥となる行動をしてしまった』と感じる感情である」とは少し違うような気がするのですが、それは何故なのだろ…
「東京グッドマナー」と聞くと恥ずかしいという想いがこみ上げてくるのは何故なのだろうと考えているのですが、日本人のコンプレックスの裏返しのように見えるからかもしれません。 20代前半で、「世界」に飛び出した時のアンビバレンツな感情がふつふつと思…
電車の風景も10年単位で考えると、いろいろと変化しているなあと感じます。 最近、大きなリュック型のバックを背負ったまま乗る人が増えた印象があることは書きましたが、ここ数年の変化で感じていることがもう一つあります。 それは、電車内で立つ人が、そ…
「東京のグッドマナーを世界に向けて発信しよう」というニュースが目に入り、「わあ、なんだか恥ずかしい」という気持ちになったのは何故だろうとつらつらと考えています。 まあ、発信するという言葉自体が苦手なのですが。 Time Out Tokyo Edutorsにはこん…
私が「個人的体験談」という言葉にであったのは、50歳を目前にした頃でした。 「半世紀ほど生きてきたのに、こんな言葉を知らなかったのか」と、「目から鱗」どころか、本当に頭をなぐられたように感じました。 「個人」の「体験談」だったら、まあよく使う…
お一人目を助産院で出産された時のご経験を教えてくださったさこさんのコメントから、久しぶりに助産所のHPの定点観測をしてみました。 以前は、「身体観」とか「出産観」といった言葉で、自分の体をコントロールし自分らしいお産をするための、主に身体的な…
琴子ちゃんのお母さんが、ブログでこんさんのコメントを紹介してくださいました。ありがとうございます。 そのタイトルが「たまたま上手くいっただけだろ?」という、まさに本質的な言葉でした。 そう、この「記録のあれこれ」にもつながっていく大事な言葉…
「記録のあれこれ 1」しかまだ書いていないのに「まとめ」を作るのも何ですが、「記録」についてはブログを始めた頃からずっと書いてみたいと思っていました。 それがもう少しはっきりと見えてきたのが、2012年12月30日の「オカルトな世界が広がる助産雑誌」…
アドバンス助産師の制度についてはいろいろと書いてきましたが、唯一、「自分の分娩介助経験を記録する」きっかけを作ったことは良かったのではないかと思います、 こちらの記事の「私にとっての『100例』の意味」にも書きましたが、助産師になって分娩介助…
厚生労働省から平成27年12月に、「早期新生児期における早期母子接触及び栄養管理の状況」についての調査報告が出されています。 先にその全体版を読んだのですが、「集計結果の概要」には「早期の母子接触を実施している施設は、88.2%であった」と書かれて…