ほんとうに海苔の値段が高くなりすぎて、買わなくなりました。
たまに市販のおにぎりや海苔巻きとして食べる程度でしたが、それさえも来たる年金生活を想定した攻防戦で緊縮財政ですから、今まで自分にご褒美と思って買っていた中食にもすっかり縁が遠くなりました。
最低限の食費になるように、細々と質素に生きています。まあ、また食事を作る時間の余裕もできましたしね。
何といっても年金支給額の1ヶ月分に相当する消費税というペナルティですからね。
みなさん、ほんとちゃんと家計簿をつけましょう。
ああ、また海苔やお米を値段を気にせずに日常的に食べたい。
でも聞こえてくるのは「温暖化や気象の変化で不作」「需要と供給のバランスが合わなくて値上がり」というニュースばかりです。
でも、街の中にはおにぎり屋さんやら回転寿司やらいつも通りに繁盛していて「あの原材料はどうやって確保しているのだろう」と不思議です。
*値上がりの構造は*
そんなときに珍しくまた海苔の話題がニュースになりました。
コンビニのおにぎりに海苔がついたのが少なくなった理由と値段が高くなったのは「海苔が値上がりしたから」と。
値上げの理由について、海苔の不作があるとコメント。池上氏は「海水温の上昇で海苔の生産量がどんどん減っている、という現実があるみたいです。海苔というのは水温が下がらないと育たないんです」と気候変動の影響を挙げた。さらに温暖な海を好むクロダイなどが「海苔を食べてしまう食害や、雨不足で川から流れ込む水が減り、海に流れ込む栄養が不足していることも指摘。海苔の流通が減ることで「じゃあ、海苔なくてもいいや、という日本人の海苔離れが心配されている。海苔が食卓から消えてしまうと、これはやっぱり日本の食文化の危機にもなりますよね」と問題的した。
「池上彰氏『海苔なしおにぎり』がコンビニで消えた理由解説『新しいおにぎりに見えますけど・・・』」
(2025年9月21日、日刊スポーツ、強調は引用者による)
えっ?
水産庁は「2023年におけるノリの輸出実績は約33億円で、過去5年間で約223%の増加」って報告していますけれど。
つまり、高級魚は海外へと同じく高級な国産海苔は海外へ、購買力の落ちた国内は安い中国産や韓国産でという流通の偏りだと思っていました。
そして「生産する人が減り気象の変化で収穫も減ってしまい、値段が高いから日本人の〇〇離れ」、同じことをしようとしているのが米の流通なのだと。
国民の生活のためというよりは「日本のコメを世界へ広げるため」に、悲願のコメ先物取引ができたものの市場は大混乱。
政党に関係ないですからね、だからみんなで責任の主体を隠す。
今年の2月も、いつもの通り恵方巻きのニュースを流していたテレビ局。
そうそう「1960年代後半には、大阪の海苔問屋協同組合とすし組合が連携し、行事普及活動の一環として飛行機をチャーターして広告ビラを撒いた」に始まったらしい恵方巻き。
しかも、大量に売れ残って廃棄される映像も毎年のお約束。
海苔もお米も本当に足りないなら、あんなことできないですよね。
あのイベントがなくなればコンビニのおにぎりの海苔も復活しそうだし、外食や中食への流通量をもう少し家庭と回してくれたら価格は下がるのではないかと思えてきました。
農業は現代とは比較にならないほどの旱魃や凶作や災害の影響を受けてきて、その記録もきちんと残っている国で、米価の変動に苦しんだ記録もあるはず。
だから「主食を投機の対象にするなどの行為は許されたものではない」という強い思いが生き続けているのではないかと。
*ふたたびコヘレトの「むなしさ」*
「需給」「流通」「市場」は、もはや家庭の消費なんてどうでも良いのかもしれませんね。将来のことも考えずに大量に売り捌いて利益を得ることや、海外との差益を生むもののみ。
錬金術で一時的に金持ちになった人たちは、「買えないなら安い物(現代は輸入品)を食べればいいじゃない」と世の中を見下すのも、ずっと人間の歴史が繰り返してきたのだろうなと思うこの頃。
温暖化のせいで海苔が採れないのなら中国や韓国だって早晩採れなくなりそうなのに、そこは問題にしない。
温暖化というわりには車社会を根本的に変えないどころか、「消費税(福祉目的税)」で国民の所得を搾り取りそういう産業に回す。
あるところにはある。
資源も情報も何もかも。
そしてジャーナリストと名乗る人たちが、その片棒を担ぐ。
貧しい人が虐げられていることや、不正な裁き。正義の欠如などがこの国にあるのを見ても驚くな。
なぜなら
身分の高い者が、身分の高い者をかばい
更に身分の高い者が両者をかばうのだから。
何にもまして国にとって益となるのは
王が耕地を大切にすること。
銀を愛する者は銀に飽くことなく
富を愛する者は収益に満足しない。
これまた空しいことだ。
財産が増せば、それを食らう者も増す。
持ち主は眺めているばかりで、何の得もない。
働くものの眠りは快(こころよ)い
満腹していても、飢えていても。
金持ちは食べ飽きていて眠れない。
(旧約聖書「コヘレトの言葉」)
紀元前に記録された人間社会のむなしさを、ひしひしと感じるこの頃です。
「事実とは何か」まとめはこちら。
失敗とかリスクについてのまとめはこちら。
骨太についてのまとめはこちら。
聖書につてのまとめはこちら
お米を投機的に扱わないためにのまとめはこちら。
魚や漁師や漁港についてのまとめはこちら。