2022-04-01から1ヶ月間の記事一覧

記録のあれこれ 119  「水攻め」と1985年6月25日の集中豪雨

備中高松城跡付近が一面水に浸かっている1985年6月の写真を見て、「水攻めされた時もこんな感じだったのだろうか」とちょっと身震いしました。 1985年(昭和60年)、私自身は東南アジアにいたのでこの岡山の水害について記憶がないのだろうかと検索してみま…

水のあれこれ 236 水攻めと数百年後の農業用水路

大鳥居の少し手前で二本の用水路が合流し、その用水路が潤す水田地帯の途中に水攻め史跡公園がありました。 水攻め史跡公園の「蛙が鼻築堤跡」にこんな説明がありました。 天正十年(1582)に羽柴秀吉は備中高松城を攻めたが、城は典型的な沼城(ぬまじろ)…

散歩をする 386 備中高松の水攻めの跡を歩く

伊里を訪ね、岡山駅に到着して15時22分のJR吉備線に乗りました。 懐かしい水田地帯にある吉備津神社のあたりの風景を過ぎると、次が備中高松駅です。 駅前に「中国自然遊歩道案内図」がありました。 中国自然歩道は、中国5県を一周し、それぞれの地方に残さ…

行間を読む 144 「ホームは嵩上げされていない」

Wikipediaの伊里駅の「駅構造」に、「ホームは嵩上げされていない」と書かれています。 伊里の街や水田地帯を歩く前であれば、ちょっとマニアックなこの一文には目が止まらなかったことでしょう。 伊里駅に降り立つと、東側の水田地帯は線路より一段下に広が…

落ち着いた街 20  井田と伊里川沿いを歩く

日生の風景に名残惜しさを感じながら、11時56分の赤穂線に乗りました。 岡山方面からの列車が到着すると、また地元の人だけでなく観光客が降りてきました。 赤穂線がこの日生駅まで延伸したのが1956年のようですから、まだ自家用車を持つ人が少ない当時は美…

水のあれこれ 235  水夫

前回の岡山県立図書館、デジタル岡山大百科の「日生の由来」にはこんな続きが書かれています。 時代がくだり、江戸時代になると、日生付近は、幕府や藩の公用船に対する水夫(かこ)労役奉仕の義務が漁民に負わされていたことから「加子の浦」ともいわれるよ…

散歩をする 385 日生(ひなせ)

姫路駅で、新幹線からJR山陽本線播州赤穂駅行きに乗り換え、赤穂線で最初の目的地に向かいます。 最近も姫路に宿泊して何度か立ったはずの姫路駅のホームなのに、どちらが東か西か、一瞬、方向感覚を失いました。なぜだろうと確認するまもなく4両の列車が入…

10年ひとむかし 85 半世紀の車窓の風景を行ったり来たり

ここ3年半ほどで岡山の辺りまで何度も往復し、昨年は念願の佐賀まで東海道新幹線と山陽新幹線を乗り継いでいくことができました。 なんだかすごいなあと浦島太郎の気分になりながらも、車窓の風景は子どもの頃から変わらないような気持ちになるのも不思議で…

発達する 36 車窓の風景を見て思うこと

遠出の散歩が近づくと、見ると幸せになるあれをまた見ることができないかなと、げんを担ぎたくなる気持ちになります。 昨年、九州を訪ねた時に最初から最後まで幸運と偶然に恵まれたのもそのおかげと思い込みたくなるものでした。 出かける回数という分母が…

散歩をする 384 ただひたすら川と海を見に〜吉備国編〜

東京のまん延防止等重点措置が3月21日に終了するという直前に、1泊2日で岡山を訪ねる計画を立てました。 「まん防は意味(効果)があるのか」という議論はよくわからないのですが、おそらくこうした規制があってもなくても、飲みながら食べながらにぎやかに…

反動から中庸へ 12 他者への愛から自己愛へ

あれこれと浦島太郎になった気分になるこの頃ですが、その多くは技術的な変化が影響しているあるのかもしれません。 80年代半ばはまだ、国際機関でもテレックスだったのに、あっという間にインターネットとパソコンへ変化した90年代初頭あたりは、どんな玉手…

客観的のあれこれ 9  「迷惑」からリスク回避の注意へ

自分の行動が他の人を迷わせるとか戸惑わせるということを認識できるためには、どの発達段階でどのようなことが必要なのだろうと、通勤電車やプールの中で考え続けています。 1980年代を境に、「子どもを注意しなくなった」「叱らずに褒めて育てる」時代にな…

存在する 26  迷うとか戸惑うとか

2年前の今頃は、座る時にも他の人との距離を取るようになったので、肘鉄の頻度も大腿部に座られる頻度も激減しました。 にっくき未曾有の感染症拡大の中でも、唯一、ありがたいと思った現象でした。 最近、人の流れが元に戻り、また肘鉄攻撃にあっています。…

散歩をする 383 修善寺の川合を歩き、踊り子号で戻る

予期していなかった中郷用水と温水池の歴史を知ることができ、その分水路の一つに沿って駿豆(すんず)線三島二日町駅を目指しました。 ここまでは時々日がさす時もあってなんとかお天気がもっていましたが、しだいに天城山のある南の方から黒い雨雲が近づい…

水のあれこれ 234  中郷用水と中郷温水池

散歩の二日目だけで、つぎつぎと「水のあれこれ」が出てくる三島周辺です。 計画の段階では、源兵衛川の途中にある「水の苑緑地」のあたりで疲れてくるだろうから、駿豆線に乗って韮山へ行こうかと考えていました。 ところが源兵衛川を歩いていたら、その下…

記録のあれこれ 118 「水の郷構想」源兵衛川遊歩道、川の中を歩く

千貫樋のあたりは、南北へと少し低くなっているので尾根のような場所に見えました。 千貫樋の説明板があったのは「加屋」という地名ですが、交差点に「茅町」と彫られた小さな石碑がありました。茅が生い茂るような場所だったのでしょうか。 16世紀に、水を…

水のあれこれ 233 千貫樋

本宿用水が潤していた地域と地図で見つけた窪の湧水を見ることができたので、今回の散歩の2日目の計画は達成されました。 ここからは、三島市内を南北に流れる数々の水路のどれかを歩き、そのあと体力が持てば韮山反射炉のあたりを歩いてみようかと考えてい…

水のあれこれ 232 窪の湧水

本宿用水が潤した水田地帯を見たあとは、両親との思い出の地の一つである柿田川湧水群をまた訪ねようかと思いながら地図を拡大したり縮小したりして計画を考えていると、本宿交差点から数百mのところに「窪の湧水」を見つけました。 湧水を見たい、そしてせ…

水のあれこれ 231 黄瀬川と本宿用水、そして新幹線

少しあいだがあきましたが、黄瀬川と狩野川周辺を歩く2日目の記録です。 JR三島駅の南側250mのところに、新幹線の車窓からまるで渓谷のような大場川が見えますが、この川のそばもいつか歩いてみたいと思い今回の1日目の計画に入れてみたのですが、無理な計画…

運動のあれこれ 45  紛争地と赤十字

私自身は日本赤十字社関連の病院で働いたことはないのですが、日赤というと、とりわけ産科で働いていると主に輸血でその恩恵を受けています。全国津々浦々に輸血の供給システムが整備されたからこそ、どれだけの妊産褥婦さんたちが命を救われたことでしょう…

行間を読む 143 「戦死者を並べてとりでにするような戦い」

昨年6月に佐賀のクリークと筑後川を訪ねたときに、デ・レイケ導流堤を見てから筑後川昇開橋を渡って福岡側から佐賀へと戻る計画を立てていました。現地に行ってみると昇開橋は歩いて渡れないことがわかり予定を変更して大川市を歩き、バスで佐賀市内へと戻り…

事実とは何か 88 半世紀ほどの社会の変化をどうとらえるのか

今回の散歩の1日目は午前中の早い時間から深良用水などを歩いたので、その日の宿泊地の三島に16時過ぎには到着しました。 大好きな水の街である三島も、今までゆっくり食事をしたことがなかったので、早々にお店を探しました。 生ビールと、新鮮な魚のお寿司…

水の神様を訪ねる 57  長泉なめりの芦ノ湖水神社

五竜の滝を見て裾野駅に到着したのが14時半ごろで、まだまだ散歩の時間があります。 ここからは黄瀬川を離れて、箱根のふもとを流れる大場川沿いの公園を訪ねてから、深良用水の水の神様だろうと見当をつけたもう一つの芦ノ湖水神社を訪ねる計画でした。 裾…

散歩をする 382 黄瀬川沿いに五竜の滝へ

裾野の水の神様のあと、一旦、黄瀬川とは反対に東へと向かい、JR御殿場線の踏切を渡ったところにある深良神社を訪ねます。 跨線橋の上からは富士山の雄大な姿と、深良用水によって開かれた水田地帯が見えました。 水田に囲まれた鎮守の森の中に静かに深良神…

水の神様を訪ねる 56 裾野の水の神様

せせらぎ児童公園を抜けると、目の前に「裾野市上水道 石脇配水場」のタンクがあり、左手に三島神社があります。 黄瀬川をのぞみ、近くに配水場もあるので、なんとなく水の神様のような気がして訪ねてみることにしました。 「神社創建の由来」が大きな石碑に…

散歩をする 381 黄瀬川と深良用水を歩く

JR御殿場線の踏切を越えると、わずか100mほどのところで深良川は数メートルの落差で黄瀬川へと合流していました。 黄瀬川左岸は崖のように続き、そのすぐそばまで家が建っています。 黄瀬川は田畑より低い位置を流れるため、農業用水には不向きな川であった…

米のあれこれ 35 米づくりのために引かれた深良用水

子どもの頃から耳にしていた、念願の深良用水のそばを歩くことができました。 富士山と箱根の山々に抱かれたなだらかな斜面に広がる水田地帯は真冬でもこんなに美しいのですから、四季折々の変化を見てみたいものです。 Wikipediaの深良用水の「かんがい面積…

水の神様を訪ねる 55 深良用水の神様を訪ねる

2018年に疏水という用語を意識し始めて、安積疏水や琵琶湖疏水を訪ねました。 疏水という言葉は知らなかったけれど、この「山の上にある湖から水路をひく」ことは小学生の頃から知っていたと思い出したのが深良用水でした。 江戸時代にあの箱根の芦ノ湖から…

散歩をする 380 「駿馬の如き河」の地を歩く

昨年12月半ばに播磨国を訪ねてからじきにまた遠出はできなくなりそうな予感で、そうなるとますます出かけたくなる思いが募ります。そんな時には高輪ゲートウェイで新幹線を眺めていました。 2月中旬になり、検査が追いつかなくなったのかそれとも高止まりな…

散歩をする 379 津田山から平瀬川ぞいに歩く

津田山を越えて反対側へと平瀬川を見に行くには、久地神社前の道を反時計回りに登るとよさそうです。 まずは久地神社を訪ねてみました。てっきり水の神様かと思ったのですが、「弁財天・毘沙門天」で、そのホームページを読むと「久地」と「クジ」の語呂合わ…