観察する 82 アリに感謝して「一日いちスミレ」

3月に入ると百花繚乱の草花の名前を記録するとともに、スミレを探す季節です。

子どもの頃から身近にあって大好きだったのですが、その存在が大きくなったのはここ十数年ほどです。思い返すと両親の老いや自分の仕事や将来のことなど葛藤の中で、逃げるような気持ちを植物に慰められていたのかもしれません。

 

そのうちにスミレはどうやって広がるのだろうということが気になり始めました。

群生しているものもあれば、歩道の隅にポツンと一株だけ咲いていることもあります。どうやらパチンと種が弾け飛んだり、地下茎で広がるらしいことはわかりました。

それにしても「なんでここにと思う場所に一株だけあるのか」がずっと気になっていたのですが、「ヴィランの言い分」を観ていたらアリがスミレの種を運んでいると聞こえてきました。

そうだったのですね。

 

検索したらAIが教えてくれました。

スミレは種子に「エライオソーム」というアリの大好物(栄養分)をつけています。地面に落ちた種を見つけたアリは、この部分を目当てに巣まで運びます。巣に運ばれた種は栄養分だけを食べられた後、発芽しやすい肥沃な土壌(巣の周辺)に捨てられ、そこで新しいスミレが育ちます。

 

仕事を減らしたので少し時間ができた今年の春は、連日のように道を変えながらスミレを探してみました。

 

電柱の根元とか縁石のわずかの隙間とか、ポツンとスミレが咲いているのはアリが運んでくれたからですね、きっと。

まるで巨石を抱えているような姿を想像すると、栄養を得るためとはいえすごい重労働そうです。

アリは「ヴィラン(悪役)」ではなく働き者として尊敬する存在でしたから、さらに親近感が湧きました。

 

「一日に一箇所、スミレの咲く場所を見つけてみよう」

おかげで近隣のスミレが咲く場所の地図が私の頭の中にできました。

 

 

*おまけ*

2019年に購入した「スミレハンドブック」をもう一度読み直したら、アリのことも書かれていました。

 花後、閉鎖果をつくることや、種子にはエライオソーム(種沈)と呼ばれる付属物(主に脂肪酸)があり、アリがこの部分を食べ物として好み、遠く巣まで運ぶのも特徴で、アリの巣で発芽した種子はよく育つという。

(強調は引用者による)

読み飛ばしていたようです。知識が身になるのは大変。

 

 

スミレの記事も増えたのでまとめておきます。

<2015年>

タチツボスミレ

下を向いて歩こう

<2017年>

タチツボスミレはどうやって広がるのか

タチツボスミレの閉鎖果をみつけた

公園のつぶやき

あとかたもなくなる

スミレの閉鎖果を知った神代植物園

<2018年>

スミレを探す

<2019年>

植物に慰められる

スミレ科には23属800種類「スミレハンドブック」

秋田新幹線の車窓からスミレの群生が見えた

<2020年>

スミレの定点観測

コロナの外出自粛とスミレ

「春はお花がいっぱい咲くから好き」

<2021年>

八王子霊園のスミレ

長崎散策の森のスミレ

利根運河の土手のスミレ

<2022年>

11月、大谷川放水路そばの季節外れのスミレ

<2023年>

12月、利根川の堤防で季節外れのスミレ

当麻寺のそばのスミレ

香芝市の「市の花」、日本古来から野山に咲く身近な花

膳所城そばの歩道の縁石に咲くスミレ

勝端城跡のそばの歩道のスミレ

<2024年>

スミレの咲く東御苑

富雄川の堤防沿いのスミレ

聖徳太子お誕生所のそばの白いスミレ

箸墓古墳へ向かう水路沿いのスミレ

新幹線の車窓から見える県下最大の水田地帯の畦道のスミレ

大賀一郎博士の妻の「スミレ図譜」

<2025年>

新宿御苑の玉川上水沿いのスミレ

上堀桜堤の遊歩道のスミレ

「鬼怒川乱流に侵食された沼湿地」の畦道のスミレ

大芦川から新鹿沼駅への道のスミレ

どうやって生き、どうやって土に還るか

<2026年>

富山で今年2回目の「一日いちスミレ」

黒部川扇状地の散居村に咲くスミレ

西入善の湧水群までの道に白いスミレの群生

園家山の湧水から西入善駅までの色とりどりのスミレ

魚津駅へ向かう側溝のそばにスミレ

黒部漁港のスミレにいざなわれて清水庵の清水へ

片貝川右岸の白いスミレの群生

常西合口用水が潤す広大な水田の畦道で見つけた一株のスミレ

富山地鉄月岡駅の線路に咲いていたスミレ

水橋駅から白岩川の水神社へ向かう途中にスミレ

岩瀬浜にポツンとあった白いスミレの群生

牛島公園から富岩運河環水公園への道にスミレ

 

 

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